インフォメーション 〜time now〜


 こんにちは。今回、time nowを担当します、医事課の田村です。
 暑い日が増えてきていますが、みなさん熱中症対策などは十分でしょうか。予報によると、今年の夏は去年にも増して暑くなるそうですから、しっかり準備をして十分に気をつけてください。

 さて、今回は近年耳にすることが増えた「オーバーツーリズム」についてお話しします。新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)が収まり、国内外の移動がパンデミック前と同様に行われるようになりました。オーバーツーリズムは、特定の地域に観光客が集中し、それによって起こる問題や影響、悪化した状況などを指し、今、さまざまな事象が問題となっています。

 2023年の訪日外国人旅行者数は約2,507万人とコロナ前の2019年(3,188万人)の79%の水準まで回復したとされます。月次ベースでみると、2024年4月の訪日外国人旅行者数は約304万人と2019年同月比では104%増となり、コロナ禍以前の水準に回復しています。
 日本では、円安の影響もありインバウンドが急増し、京都や富士山、アニメの聖地など環境やごみ問題、マナーの悪化などから地域住民の暮らしも含めた様々なところに影響が出ています。さらには、SNSによる情報発信が事態を複雑にしており、観光地ではない地域や本来立ち入ることが出来ない場所、私有地などにも無断で大勢の観光客が押し寄せるなど問題となり、日本ではテレビなどでも話題となっています。しかし、これは日本に限った話ではなく、オーバーツーリズムは今、世界的な大きな問題となっています。
 コロナの規制緩和は、気軽に旅行や遠出ができるようになり喜ばしいのですが、羽目を外しすぎて、迷惑を掛ける、問題を起こす当事者にならないように心掛けなければなりません。また、「ゴミのポイ捨て」や「住宅街の近い観光スポットでは声量を抑える」など、当たり前のマナーを1人ひとりが気をつけることで、オーバーツーリズム問題や観光地問題が改善できるのではないかと思います。
 観光客増加はデミリットだけでなく、自治体においては経済効果など喜ばしいメリットもあります。今後、増え過ぎた観光客に対するマネジメントや受け皿の整備も課題だと感じます。日本政府は、観光客の受け入れと住民の生活の質確保を両立し、持続可能な観光地域づくりを目指すための総合的な支援「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取り組み」を、令和5年10月18日に発表しています。この支援策は①観光客の集中による過度の混雑やマナー違反への対応、②地方部への誘客の推進、③地域住民と協働した観光振興となっています。観光業に重きを置く日本としては、一刻も早く改善しなければならない問題の1つとなっています。外国人、日本人に限らず、せっかくの旅行ですから気持ちよく観光してもらいたいと思います。また旅行者だけでなく地域住民や自然環境などにも配慮した実効性のある対策が必要と感じます。

 ところで、今年のはじめに当院の新築移転のお話をしましたが、遂に建物が完成し6月1日に無事に定礎式を終えることができました。様々な要望を聞いていただき本当にすばらしい病院が完成しました。新病院の建設に尽力いただきました、設計事務所、建設会社をはじめ、工事に携わっていただいた関係者の皆さまには、この場を借りてお礼を申し上げます。有難う御座いました。

 振り返れば、2023年3月1日に着工し、この1年3ヶ月、少しずつ新しい病院が形になっていくことに関わるという貴重な経験ができました。はじめは自分にこのような大きなプロジェクトの取りまとめ役が務まるのかとても不安でしたが、上司や同僚の他、スタッフの協力もあり、この日を迎えることができました。
 これからは、10月1日の開院に向けて、医療機器や什器の搬入、移転に必要な届出書類の提出や新たに導入する電子カルテの準備、そして患者さんの移動をはじめとした引っ越しなど、まだまだ行うことは沢山あります。滞りなく遂行して、もう一踏ん張りと自身を鼓舞して、みんな笑顔で新病院開院の日を迎えたいと思います。また新病院の開院を待ち遠しく思ってくださる方々にはもうしばらく、ご不便をおかけしますがご理解の程、宜しくお願い致します。そして私たちスタッフは、新しい病院に見合う良質な医療の提供ができるよう、日々の業務や自己研鑽に励んでまいります。




令和6年6月 医事課 次長 田村岳志