私がフィリピンから日本に来て、介護の仕事を始めて8年程になります。最初は新しい挑戦をしたいという思いからでしたが、日本の介護業界は、少子高齢化が進む中でますます重要な役割を果たしていると思いました。私自身、病院で働くことに対する期待と不安がありましたが、実際に働いてみると、様々な気づきもありました。

　まず、医療・介護現場では患者さん1人1人に対して丁寧で細やかな配慮を行います。例えば、食事の際には、患者さんの好みや健康状態に応じたメニューを考え、見た目に良い盛り付けを心がけています。このようなことは、今まで思ってもみなかったことでした。また、医療・介護現場では、チームワークが非常に重要です。スタッフ同士のコミュニケーションができていて、情報共有がしっかりと行われています。私も、言葉の壁を乗り越え、同僚たちと積極的にコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築くことに心がけました。特に、先輩方・看護師さんからのサポートは心強く、みんなの経験や知識を学ぶことで、自分自身のスキルアップになったと思います。

仕事を通じて文化の違いを感じる場面も多々ありました。日本では、年齢や地位に対する敬意が重視されます。患者さんに対しても、いつも丁寧語を使い、礼儀正しさが求められます。最初はこの点に戸惑いを感じましたが、次第にその重要性を理解し、自然に敬意を表すことが出来る様になりました。さらに、医療・介護現場では、患者さんや利用者さんの気持ちを重視します。介護を受ける方々ができる限り自分で行動できるようにサポートする姿勢は、私にとって新しい発見でした。患者さんが自分のペースで生活出来るように配慮することは、彼らのプライドを守ることにも繋がります。この考え方は、私の介護に対する気持ちをより強くすることとなりました。

　実は以前、サウナで年配の方が倒れた所に居合わせました。その時、自分でも驚くことに、私が周りのお客さんに指示を出し、普段の介護の知識を活かして、バスタオルを使って、迅速にサウナの外へ搬送し事なきを得た経験をしています。介護の経験がなければ、私には絶対に出来なかった対応だと思います。介護の仕事を通じて、私は多くの人々と出会い、いろいろな話を聞くことができました。患者さんの笑顔や感謝の言葉は、私にとって何よりの励みです。みんなとの交流を通じて、理解が深まり、私自身の視野も広がりました。介護の仕事は、大変ですが、その分やりがいが詰まっています。人と人との繋がりを大切にするこの仕事に私はプライドを持っています。これからも、介護の現場で多くの人々に寄り添い、支え合うことが出来るよう努めていきたいと思います。

　最後に、この仕事は、私にとって重要な意味を持っています。これからも、学び続け、成長しながら、患者さんに寄り添った介護を提供していきたいと思います。

令和6年11月タイムナウ　看護助手　二宮ジェマイリン