令和4年6月1日策定

『適切な意思決定支援に関する指針』

1.基本方針

人生の最終段階を迎えた患者がその人らしい最期を迎えることができるよう、医師をはじめとする医療・介護従事者が多職種で、患者とその家族等に適切な説明と話し合いを行うことで患者本人の意思決定を尊重した最善の医療・ケアを提供することに努める。

2.「人生の最終段階」の定義

人生の最終段階とは、
(1)がんの末期のように、予後が数日から長くとも2-3ヶ月と予測が出来る場合。
(2)慢性疾患の急性増悪を繰り返し予後不良に陥る場合。
(3)脳血管疾患の後遺症や老衰など数ヶ月から数年にかけ死を迎える場合。
などが考えられる。
但し、どのような状態が人生の最終段階かは、本人の状態を踏まえて、多職種で構成される医療・ケアチームが適切かつ妥当な判断を行う。

3.人生の最終段階における医療・ケアの在り方

(1)医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアを受ける本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療・ケアを進めることが重要である。また、本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援が医療・ケアチームにより行われ、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要である。さらに、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等の信頼できる者も含めて、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要である。この話し合いに先立ち、本人は特定の家族等を自らの意思を推定する者として前もって定めておくことも重要である。

(2)人生の最終段階における医療・ケアについて、医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止等は、医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断を行う。

(3)医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和し、本人・家族等の精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療・ケアの提供を行う。

(4)生命を短縮させる意図をもつ積極的安楽死は、本指針では対象としない。

4.人生の最終段階における医療・ケアの方針の決定手続き

人生の最終段階における医療・ケアの方針決定は次によるものとする。

(1)本人の意思の確認ができる場合

① 方針の決定は、本人の状態に応じた専門的な医学的検討を経て、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされることが必要である。そのうえで、本人と医療・ケアチームとの合意形成に向けた十分な話し合いを踏まえた本人による意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針の決定を行う。
② 時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて本人の意思が変 化しうるものであることから、医療・ケアチームにより、適切な情報の提供と説 明がなされ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えることができるような支援が行われることが必要である。この際、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等も含めて話し合いが繰り返し行われることも必要である。
③ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめる。

(2)本人の意思の確認ができない場合

本人の意思確認ができない場合には、次のような手順により、医療・ケアチームの 中で慎重な判断を行う。
① 家族などが本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。
② 家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行う。
③ 家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。
④ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめる。

(3)複数の専門家からなる話し合いの場の設置

上記(1)及び(2)の場合において、方針の決定に際し、
① 医療・ケアチームの中で心身の状態等により医療・ケアの内容の決定が困難な場合
② 本人と医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合
③ 家族の中で意見がまとまらない場合や、医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合

等については、複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、医療・ケアチーム 以外の者を加えて、方針等についての検討及び助言を得る必要がある。

どんぐりの杜クリニック

適切な意思決定支援に関する指針

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『適切な意思決定支援に関する指針』

1.基本方針

人生の最終段階を迎えた患者がその人らしい最期を迎えることができるよう、医師をはじめとする医療・介護従事者が多職種で、患者とその家族等に適切な説明と話し合いを行うことで患者本人の意思決定を尊重した最善の医療・ケアを提供することに努める。

2.「人生の最終段階」の定義

人生の最終段階とは、
(1)がんの末期のように、予後が数日から長くとも2-3ヶ月と予測が出来る場合。
(2)慢性疾患の急性増悪を繰り返し予後不良に陥る場合。
(3)脳血管疾患の後遺症や老衰など数ヶ月から数年にかけ死を迎える場合。
などが考えられる。
但し、どのような状態が人生の最終段階かは、本人の状態を踏まえて、多職種で構成される医療・ケアチームが適切かつ妥当な判断を行う。

3.人生の最終段階における医療・ケアの在り方

(1)医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアを受ける本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療・ケアを進めることが重要である。また、本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援が医療・ケアチームにより行われ、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要である。さらに、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等の信頼できる者も含めて、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要である。この話し合いに先立ち、本人は特定の家族等を自らの意思を推定する者として前もって定めておくことも重要である。

(2)人生の最終段階における医療・ケアについて、医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止等は、医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断を行う。

(3)医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和し、本人・家族等の精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療・ケアの提供を行う。

(4)生命を短縮させる意図をもつ積極的安楽死は、本指針では対象としない。

4.人生の最終段階における医療・ケアの方針の決定手続き

人生の最終段階における医療・ケアの方針決定は次によるものとする。

(1)本人の意思の確認ができる場合

① 方針の決定は、本人の状態に応じた専門的な医学的検討を経て、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされることが必要である。そのうえで、本人と医療・ケアチームとの合意形成に向けた十分な話し合いを踏まえた本人による意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針の決定を行う。
② 時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて本人の意思が変 化しうるものであることから、医療・ケアチームにより、適切な情報の提供と説 明がなされ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えることができるような支援が行われることが必要である。この際、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等も含めて話し合いが繰り返し行われることも必要である。
③ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめる。

(2)本人の意思の確認ができない場合

本人の意思確認ができない場合には、次のような手順により、医療・ケアチームの 中で慎重な判断を行う。
① 家族などが本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。
② 家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行う。
③ 家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。
④ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめる。

(3)複数の専門家からなる話し合いの場の設置

上記(1)及び(2)の場合において、方針の決定に際し、
① 医療・ケアチームの中で心身の状態等により医療・ケアの内容の決定が困難な場合
② 本人と医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合
③ 家族の中で意見がまとまらない場合や、医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合

等については、複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、医療・ケアチーム 以外の者を加えて、方針等についての検討及び助言を得る必要がある。

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