　あっという間に師走を迎え、今年の目標がどの程度達成できたのかを振り返る季節となりました。みなさんは今年どのような一年だったでしょうか？私は昨年、諏訪の杜病院の移転と同時期に、どんぐりの杜クリニック小児部門の統合とそれに伴う異動をしました。さらに移転直後からケニアでのJICA事業が始まり、開院25周年記念式典の開催、ケニヤッタ国立病院のリハビリテーションスタッフの本邦研修受け入れなど、まさに目まぐるしい1年を過ごしてきました。日々の業務や各事業を遂行するのに精一杯で、自分の立ち位置や役割、目標についてじっくりと考える余裕がなかったことを、今になって反省しています。そのような中でも、私が不在の際、部署の仲間たちは動じることなく、それぞれが試行錯誤しながら新しい環境に順応し、リハビリテーション部の新たな構築に向け、前向きに取り組んでくれました。日々、患者さんに「より良い医療を」と切磋琢磨するその姿に、私は多くの勇気とパワーをもらいました。

　さて今回は、私がこの一年悩み続けた『管理職』について、自分への戒めも含め考えたいと思います。

　『管理職』とは組織の中で部下の育成と組織の運営を担う役割とされています。すべての管理職に共通して必要なスキルとして①人を巻き込む力、②考える力、③経営の定石を理解する力、④志を持ち続ける力が欠かせないそうです。管理職は経営側の視点に立ち、成果を創出する役割を担う一方で、部下の育成や職場の雰囲気作りなど、広い視野で業務に取りくむことが求められます。周囲に分かりやすく説明し、良好な関係を築きながら仲間を鼓舞して巻き込み、問題の本質と原因を見極め、解決策を導き出す。そのためには、経緯資源に関する知識や理論だけでなく、「必ず成し遂げる」という強い志を持ち、前向きに行動し続ける姿勢が不可欠です。医療職を志す方々は、「誰かのために」という奉仕の精神を大切にしている方が多く、経営やマネジメントのノウハウは役職に就いてから改めて学ぶという方も少なくないのではないでしょうか。お恥ずかしながら、私自身もその一人です。

　また、管理職はスタッフのロールモデルになる存在でもあります。ロールモデルとは、行動や考え方の手本となる人物像のことです。私たちの言動や姿勢は、日々スタッフに見られており、常に模範となることが求められます。スタッフが「こんな人になりたい」と思える存在でありたいものです。そのために必要な人間力を高める方法として、「素敵な人間になりたい」という強い意志を持つこと、内省を習慣づけること、他者への思いやりや謙虚さを忘れない事が大切だと言われています。

　このtime nowという貴重な機会をいただき、自分自身の在り方を振り返るとともに、次年度に向けて自分に喝を入れる時間となりました。さあ、みなさんも2025年を振り返りながら、自分自身に労いと喝を入れ、新しい年に向けた目標を立ててみてはいかがでしょうか。

令和7年12月タイムナウ　リハビリテーション部　統括部長　浅倉恵子