Time now(令和7年10月-No.2)「看取り」

「看取り」

 みなさん、こんにちは。今回、time nowを担当します、髙田亜紀です。よろしくお願い致します。

突然ですが、「死」について考えたことはありますか?

 当院の患者さんは主にリハビリテーションと内科的治療を目的に入院されます。リハビリテーションを実施し、元気になって退院することを目標にしていますが、高齢で基礎疾患や合併症を持つ患者さんは多く、病院で看取りをすることも少なくありません。病院での看取りにおいて、私たち看護師が果たす役割は極めて重要であり、患者さんの尊厳を守ることがその中心にあります。

 「看取り」とは、死が避けられない状態にある人に対し、身体的・精神的苦痛を和らげ、その人らしい最期を、尊厳を持って迎えられるようにケアや支援をすることです。このような場面で看護師が最善を尽くすには、医療の専門職としての技術や知識だけでなく、人間らしいホスピタリティー、洞察力が求められます。

 まず、尊厳を守るためには、その人らしさを理解し、尊重する姿勢が欠かせません。患者さんがどのような人生を歩んできたのか、何を大切にしているのかを知ることは、看取りの看護において非常に重要だと考えます。さらに、ご家族への配慮や支援も忘れてはなりません。これも、看護師の重要な役割です。ご家族は死に直面し、深い悲しみや喪失感を抱えることがあります。ご家族の複雑な感情に寄り添いつつも、細やかな説明を行い最期の時間をご家族が共に過ごす環境を整えます。このような関わりにより、家族も悔いのない看取りができるようにします。そのためにも、対話を通じて患者さんやご家族の状況を把握し、思いや希望を汲み取り、それらを看護実践に反映し、その人らしく最期を迎えられるよう心がけています。

 また、身体的な苦痛を緩和することも尊厳を守る上では不可欠となります。終末期には痛みや呼吸苦などの症状が現れることが多く、これらを適切に緩和することで、患者さんが少しでも穏やかに過ごせるようにしています。さらに、言葉には出さずとも、ちょっとした表情の変化やわずかな身体の強張りなどのサインを敏感に察知し、必要なケアを提供することも看護師の重要な役割です。

 今回、改めて「看取り」について考えたきっかけは、私の友人のことがあったからです。私たちは別々の大学に在学中、共通の友人を介して友達になりました。通った大学は違ったのですが、卒業後も数年はそのグループで飲み会を催したりと交流がありましたが、その友人が兵庫県に転勤したこともありグループでの交流は徐々に途絶えていきました。大分県出身で同郷であったこともあり、友人とは年賀状のやり取りと、誕生日に一言「おめでとう!今年も元気かえ?」というメッセージを毎年送り合っていました。私は9月が誕生日なのですが、去年も同様でした。つい最近、共通の友人から、その友人が去年の11月に癌で他界したことを聞きました。共通の友人も偶然知ったとのことで私に連絡をくれたのです。去年の6月に癌が発覚したそうですが、すでに全身に転移をしており、自宅療養を選択し、11月に他界したとのことでした。私にメッセージをくれたときは、自宅療養中で辛い時期だったはずなのに、どんな気持ちでそのメッセージをくれたのだろうと思うと、何とも言えない気持ちでした。そして、自分の病に触れる事なく毎年の短いやり取りができる精神力の強さにただただ驚くばかりでした。 このタイムナウが掲載されるときに、友人の50歳の誕生日が来ます。迎えたくても迎えられなかった50歳、心の中でお祝いしたいと思います。そして、自分自身も心身健康でいられるように健診に行こうと思います。

令和7年10月タイムナウ 看護師長 髙田亜紀

「看取り」

 みなさん、こんにちは。今回、time nowを担当します、髙田亜紀です。よろしくお願い致します。

突然ですが、「死」について考えたことはありますか?

 当院の患者さんは主にリハビリテーションと内科的治療を目的に入院されます。リハビリテーションを実施し、元気になって退院することを目標にしていますが、高齢で基礎疾患や合併症を持つ患者さんは多く、病院で看取りをすることも少なくありません。病院での看取りにおいて、私たち看護師が果たす役割は極めて重要であり、患者さんの尊厳を守ることがその中心にあります。

 「看取り」とは、死が避けられない状態にある人に対し、身体的・精神的苦痛を和らげ、その人らしい最期を、尊厳を持って迎えられるようにケアや支援をすることです。このような場面で看護師が最善を尽くすには、医療の専門職としての技術や知識だけでなく、人間らしいホスピタリティー、洞察力が求められます。

 まず、尊厳を守るためには、その人らしさを理解し、尊重する姿勢が欠かせません。患者さんがどのような人生を歩んできたのか、何を大切にしているのかを知ることは、看取りの看護において非常に重要だと考えます。さらに、ご家族への配慮や支援も忘れてはなりません。これも、看護師の重要な役割です。ご家族は死に直面し、深い悲しみや喪失感を抱えることがあります。ご家族の複雑な感情に寄り添いつつも、細やかな説明を行い最期の時間をご家族が共に過ごす環境を整えます。このような関わりにより、家族も悔いのない看取りができるようにします。そのためにも、対話を通じて患者さんやご家族の状況を把握し、思いや希望を汲み取り、それらを看護実践に反映し、その人らしく最期を迎えられるよう心がけています。

 また、身体的な苦痛を緩和することも尊厳を守る上では不可欠となります。終末期には痛みや呼吸苦などの症状が現れることが多く、これらを適切に緩和することで、患者さんが少しでも穏やかに過ごせるようにしています。さらに、言葉には出さずとも、ちょっとした表情の変化やわずかな身体の強張りなどのサインを敏感に察知し、必要なケアを提供することも看護師の重要な役割です。

 今回、改めて「看取り」について考えたきっかけは、私の友人のことがあったからです。私たちは別々の大学に在学中、共通の友人を介して友達になりました。通った大学は違ったのですが、卒業後も数年はそのグループで飲み会を催したりと交流がありましたが、その友人が兵庫県に転勤したこともありグループでの交流は徐々に途絶えていきました。大分県出身で同郷であったこともあり、友人とは年賀状のやり取りと、誕生日に一言「おめでとう!今年も元気かえ?」というメッセージを毎年送り合っていました。私は9月が誕生日なのですが、去年も同様でした。つい最近、共通の友人から、その友人が去年の11月に癌で他界したことを聞きました。共通の友人も偶然知ったとのことで私に連絡をくれたのです。去年の6月に癌が発覚したそうですが、すでに全身に転移をしており、自宅療養を選択し、11月に他界したとのことでした。私にメッセージをくれたときは、自宅療養中で辛い時期だったはずなのに、どんな気持ちでそのメッセージをくれたのだろうと思うと、何とも言えない気持ちでした。そして、自分の病に触れる事なく毎年の短いやり取りができる精神力の強さにただただ驚くばかりでした。 このタイムナウが掲載されるときに、友人の50歳の誕生日が来ます。迎えたくても迎えられなかった50歳、心の中でお祝いしたいと思います。そして、自分自身も心身健康でいられるように健診に行こうと思います。

令和7年10月タイムナウ 看護師長 髙田亜紀

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