Time now(令和8年1月-No.1)「新年のご挨拶」「縄文時代の骨が語る」

「新年のご挨拶」「縄文時代の骨が語る」

 初めまして。
 諏訪の杜病院 リハビリテーション科 医師 赤川立樹と申します。
   まずは皆様の慶びとご多幸を祈念いたしまして、拙ながら新年の挨拶とさせていただきたく存じます(昨年祖母が101歳にて大往生を遂げたため、恐縮ながら祝言は控えさせていただくことをご容赦下さい)。

   この年末年始は武居院長先生のご厚意により、医師になって初めて予定のない年末年始を過ごさせていただきました。

   実家に帰り、10年振りの旧友と想い出話に華を咲かせ、大学時代の先輩や後輩とも他愛のない忘年会をする機会をいただけたこと、誠にありがたく思います。

   更に大分へ帰る前日、これも久方ぶりに、好きな東京科学博物館へ出向くことができました。

   唐突ですが、今回はそこにある、私のお気に入りの「骨」について話をさせていただきたいと思います。

   この「骨」は少し不思議です。頭蓋骨は成人のものでありながら、肋骨や四肢の骨は乳幼児のものと見紛うほどにか細い。生まれながらに、もしくは乳幼児期に大病を患い、生涯満足に四肢を動かすことができなかったものだと推察されます。
 性別は男性、亡くなった年齢は10代後半。

   特筆すべきなのは、この「骨」が縄文時代の遺跡から出土したということです。平均寿命がやっと30歳を超えるか、といった時代です。その時代に、手足を満足に動かせない人が、10年以上も生き抜いた。

   この歴史的事実に、私はいつも驚かされます。

   勿論、彼は彼のチカラだけで生き抜いたのではありません。
食事を介助し食べさせ、下の世話をし、寝床を清潔に整え、褥瘡ができないよう頻繁に姿勢を変えてあげる。そんな「他者」の存在が必要不可欠です。

   この「骨」は、骨すら残っていない、そんな「他者」の存在を、揺るぎなく感じさせます。

   繰り返しますが、縄文時代です。夏の暑さに苦しみ、冬の寒さに震え、よく分からない病に怯え、季節が一巡りするまで生きられる保証もなく、ましてや明日に食べるものすら確実でない。自分のことですら確かなことはひとつもない、そんな時代です。
 恐らく、寝たきりの人を助けることになんの実利的なメリットもなかった、そんな時代です。

   しかし、そんな時代でも、「他者」は確かに「骨」を助けた。

   その事実だけを、「骨」は静かに語ります。

   翻って、現在を生きる我々の2026年、決して良い時代とは言えません。世界に眼を向ければ、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ、アメリカとベネズエラ、諍いは絶えません。
 卑近なところでは、本邦の医療業界も、いよいよ現体制を維持できなくなりつつあります。また、医学的に正しいことをした人が損をして、病める人を騙した人が富を得る、そんなことも横行しています。

   私自身、分かりやすい欲に屈しそうになります。
 しかし、そんな気持ちで「骨」の前に佇むと、

   「しっかりやりなさいよ!」

 との叱咤激励の声が、何処かから聴こえてきます。
 この声の主は誰でしょうか。

 もしかしたら、「骨」に寄り添った、名もなき「他者」のひとりなのかも知れません。
 もしかしたら、その「他者」は、100代前の祖母なのかも知れません。

   はっとして、思いがけず背筋が伸びます。

   さて、0.1mmくらいは伸びた背筋と共に、気を引き締めて新年も業務に励みたいと思います。ちなみに年末年始の暴飲暴食が祟り、体重は3kg増え、体は少し弛みました。

   それでは本年も何卒よろしくお願いいたします。
 お困りのことがありましたら、ご相談下さいませ。

令和8年1月タイムナウ 諏訪の杜病院 医師 赤川立樹

「新年のご挨拶」「縄文時代の骨が語る」

 初めまして。
 諏訪の杜病院 リハビリテーション科 医師 赤川立樹と申します。
   まずは皆様の慶びとご多幸を祈念いたしまして、拙ながら新年の挨拶とさせていただきたく存じます(昨年祖母が101歳にて大往生を遂げたため、恐縮ながら祝言は控えさせていただくことをご容赦下さい)。

   この年末年始は武居院長先生のご厚意により、医師になって初めて予定のない年末年始を過ごさせていただきました。

   実家に帰り、10年振りの旧友と想い出話に華を咲かせ、大学時代の先輩や後輩とも他愛のない忘年会をする機会をいただけたこと、誠にありがたく思います。

   更に大分へ帰る前日、これも久方ぶりに、好きな東京科学博物館へ出向くことができました。

   唐突ですが、今回はそこにある、私のお気に入りの「骨」について話をさせていただきたいと思います。

   この「骨」は少し不思議です。頭蓋骨は成人のものでありながら、肋骨や四肢の骨は乳幼児のものと見紛うほどにか細い。生まれながらに、もしくは乳幼児期に大病を患い、生涯満足に四肢を動かすことができなかったものだと推察されます。
 性別は男性、亡くなった年齢は10代後半。

   特筆すべきなのは、この「骨」が縄文時代の遺跡から出土したということです。平均寿命がやっと30歳を超えるか、といった時代です。その時代に、手足を満足に動かせない人が、10年以上も生き抜いた。

   この歴史的事実に、私はいつも驚かされます。

   勿論、彼は彼のチカラだけで生き抜いたのではありません。
食事を介助し食べさせ、下の世話をし、寝床を清潔に整え、褥瘡ができないよう頻繁に姿勢を変えてあげる。そんな「他者」の存在が必要不可欠です。

   この「骨」は、骨すら残っていない、そんな「他者」の存在を、揺るぎなく感じさせます。

   繰り返しますが、縄文時代です。夏の暑さに苦しみ、冬の寒さに震え、よく分からない病に怯え、季節が一巡りするまで生きられる保証もなく、ましてや明日に食べるものすら確実でない。自分のことですら確かなことはひとつもない、そんな時代です。
 恐らく、寝たきりの人を助けることになんの実利的なメリットもなかった、そんな時代です。

   しかし、そんな時代でも、「他者」は確かに「骨」を助けた。

   その事実だけを、「骨」は静かに語ります。

   翻って、現在を生きる我々の2026年、決して良い時代とは言えません。世界に眼を向ければ、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ、アメリカとベネズエラ、諍いは絶えません。
 卑近なところでは、本邦の医療業界も、いよいよ現体制を維持できなくなりつつあります。また、医学的に正しいことをした人が損をして、病める人を騙した人が富を得る、そんなことも横行しています。

   私自身、分かりやすい欲に屈しそうになります。
 しかし、そんな気持ちで「骨」の前に佇むと、

   「しっかりやりなさいよ!」

 との叱咤激励の声が、何処かから聴こえてきます。
 この声の主は誰でしょうか。

 もしかしたら、「骨」に寄り添った、名もなき「他者」のひとりなのかも知れません。
 もしかしたら、その「他者」は、100代前の祖母なのかも知れません。

   はっとして、思いがけず背筋が伸びます。

   さて、0.1mmくらいは伸びた背筋と共に、気を引き締めて新年も業務に励みたいと思います。ちなみに年末年始の暴飲暴食が祟り、体重は3kg増え、体は少し弛みました。

   それでは本年も何卒よろしくお願いいたします。
 お困りのことがありましたら、ご相談下さいませ。

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