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 2月に入り、寒い日が続きましたね。東京都内では、2週に渡り観測史上に残る積雪で通行止めや公共交通機関の運航中止、若しくは運航していても時刻が乱れに乱れ、多くの人が困ったようです。この前後で、羽田や成田で飛行機を利用された方や地方からそこに向かう方も困っていました。日本の首都であり、世界との窓口を担っている訳ですから、今後の対策を是非考えて頂きたいものです。経済に与える影響も多大だと思いますよ。

 今回は、当院で入院時に取り扱っている同意書類などについてご紹介とご説明をしたいと思います。それでなくても転院で疲れているご本人やご家族に「こんなに同意書があるの?」「又、書かないといけないの?」などのご感想やご意見を頂くこともありますし、逆に「今までの病院では、こんなに説明してもらえなかった」「ここまで確認してくれてうれしい」というご感想やご意見を頂くこともあります。そこで、入院時の説明事項を表記します。更に、各同意書別の意義を簡単な表にしてまとめてみましたので御参照下さい。

【入院時の説明内容】

  • 病院理念、看護理念
  • 各種同意書
  • 入院費のお支払い
  • ご意見、苦情について
  • 院内オリエンテーション
  • 基本方針と患者の権利
  • お食事、洗濯、付き添いについて
  • 医療相談、各種証明書
  • 個人情報の利用目的
  • 入退院手続き
  • 面会について
  • 入院費用
  • 入院診療計画書

…等があります。

【各種同意書のご説明】

同意書 意 義
転倒転落に関する意思確認 万が一の事故発生時の対応の意思確認。当院での治療方針説明と意思確認。当院は、精神科や認知症病棟のような設備が不十分であることの説明を行った上での入院加療意思確認。当院での抑制範囲の説明。
転倒・転落の可能性のある場合の
同意書
転倒・転落の危険性が予想される場合に、対処方法についての説明と意思確認。
抑制に関する説明及び同意書 当院で抑制にあたると定義されている内容説明と意思確認。
保険外負担に関する同意書 オムツやティッシュ購入等の保険適応外で予想される必要物品などについての説明(金額含む)と意思確認。
個人情報に関する同意書 ご本人やご家族の個人情報取り扱い(面会時の案内や入院問い合わせなど)に関する対応に関して意思確認。個人情報保護の為、当院では病状説明を電話では行っていない主旨説明(緊急時はこれに限らず)。
入院中のお食事に関する同意書 自己負担金の説明及びそれ以外に自己負担になりうる物品等の必要性と金額説明。

 前述した同意書は、皆様に安心して療養が出来る様に当院の基本方針や設備などを説明させて頂くと同時に、ご本人やご家族の意思確認を行い尊重するために必要な手続きであり、病院では、複数のスタッフが患者さんに携わりますので、これを明文化し周知徹底するにも必要不可欠な事柄ですのでご理解とご協力をお願いします。又、当院の同意書類は、医療法で定められているものは勿論ですが、患者さんやご家族、スタッフの意見・指摘、要望に応える為に作成されたものでもある事を併せてご理解下さい。

 他にも、ミサンガトリアージなど当院独自の同意書も御座います。ミサンガトリアージは、離棟・離院、転倒・転落を予防するために、部署や職種を問わずにスタッフ全員が、一目で患者さんがどのような状態でどのような対応が必要なのか解るようになっています。ミサンガトリアージには、リングが切れるまで身につけていると願いが叶うというプロセスリングの意味もあります。退院後も身につけていて下さっている患者さんも多くいらっしゃり嬉しく思っています。ミサンガトリアージ導入当初は、スタッフが全て手作りしていました(時に、患者さんのリハビリテーションの一環として作成して頂くこともございました)が現在は、共生の会がNGOで支援活動をしているアフリカ支援の一助として、病院が、アフリカで作られている本革のミサンガを共生の会から購入してお配りしています(肌が弱い方などには、従来通り絹糸のミサンガをお渡ししています)。

 その他にも、各手術、輸血の同意書があります。他には、血液透析導入に関する同意書(導入見合わせ意思表明も含む)、誤嚥リスクのある患者さんの経口摂取に関する同意書、リビングウィルなどもあります。尚、同意書は全職種で構成されている委員会の中で関係する委員会と倫理委員会で協議・作成し、役職者会議で審査ののち承認を受けて実用しています(法の専門家にご指導頂く事もあります)。

  書類物が、この様な理由で多くなってしまい皆様の貴重なお時間を頂きお手数もお掛けするのですが、これからもご理解とご協力のほど宜しくお願い致します。最後にこれらの同意書承認は、強制でないことをお伝えしておきます。また、当院の基本方針などが患者さん・ご家族の希望に合わない場合は入院を拒否する選択権利も御座いますので遠慮なくお申し付け下さい。

 If you expect nothing, you get nothing

2月 諏訪の杜病院 副院長 岩根美紀