インフォメーション 〜time now〜

 最近、私共のケニアでの活動が今年8月に初めてケニアの首都ナイロビでTICAD Ⅳ(アフリカ開発会議)が開催される事もあり大きくマスコミで取りあげて頂けるようになりました。本当に嬉しく有難い事だと思っております。ただ、誤解のないように再度この場をお借りして私共がケニアで活動を始めたきっかけ(理由)などをご説明させて頂きたいと思います。

 もともとは、日本に住まわれていたケニア人の友人からの依頼でケニアを訪問したのが始まりで、人と人とのつながりから生まれたものでした。その当時のケニアは、今よりももっともっとインフラや医療体制が整っていませんでした…というより、悲惨な状況にありました。例えるなら、戦後の日本の病院という表現が当てはまる気がします。そのような、医療環境や水準を武居院長がみて「義侠心にかられて行動を起こした」のがケニアプロジェクトです。まず、NGOを設立し、2013年から寄付などに頼らずに自己生産型でケニア保健省と連携しスラムの巡回医療を始めました。現在までに、2万数千人の方々に医療や健診を行ってきました。乳幼児から大人、妊婦も対象でワクチンや駆虫薬投与など幅広いフォローをしています。更に、ケニア国民や在留邦人の皆様の健康維持・増進の一助となれるように、今年4月にナイロビに検査センターを開設致しました。ここで留意しておいて頂きたいのは、ケニアには医療法人というくくりが無い為、医療機関は会社として立ち上げなければならなかったという事です。ここで、敢えて説明をさせて頂きます。

 長期的スパンでやっていくには、病院や検査センターの経営も重要になるので、難しいところではありますが、光心会や共生の会と同じように、コツコツ誠心誠意で向かい合い取り組んでいけば道は拓けると確信しています。私共の検査センターでは、モットーに「早期診断・早期治療」を掲げております。より正確なデータをより早く患者様にお渡し出来る様に努力しております。ケニアでの組織は、まだ孵ったばかりの雛鳥でございますので、今後も引き続き皆様には、温かいご支援とご協力、ご指導ご鞭撻の程をお願いしたいと思います。

 途上国の支援の在り方は様々で懸案も慮れますが、ただ与えるだけでなく「教育」で人を育て「自立」を促す関わりがこれからは重要だと思います。私共は、既にケニアのスタッフを日本に招きまた、日本の医療従事者をケニアに招く研修を2年以上前から実施してきました。ケニアの医療従事者が、他国へ渡航する機会は皆無に等しいらしくカルチャーショックも大きかったようですが、自身や母国の良いところ悪いところが認識でき、明日からの何かしらの糧や目標が各々持てたようです。日本の皆様が思っている程ケニアは貧しい国ではなくなってきています。勿論、地域格差や貧富の格差はあります。日本と比べてしまえばまだまだです。しかし、ケニアは凄い勢いで発展しています。高層ビルが建ち並び、お洒落なレストランやショッピングモールも沢山あります。インフラ整備には、時間を要しますが、ケニアは時代の転換期を迎えたと思います。又、戸籍制度がなくIDを持たず働いている人が多く納税をしていないのでGDPも申告された数値より高い事が理解できます。この事実を鑑み、将来的な支援の在り方や生き方を共に模索していかなければならないと考えます。

 それから最後に、海外赴任を経験して改めて外務省(日本大使館関係者)やJICAの皆様の存在の大きさや素晴らしさ、そして有難さが身に染みました。本当に、有難う御座います。

ケニア紹介~№3~
私のお気に入りのレストランは、何ヶ所か御座います

平成28年5月タイムナウ 岩根