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ご報告になりますが、3月に東京の都市センターホテルで開催された『第5回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会』教育講演を務めさせて頂きました。学会長の伊東春樹先生や関係者のご尽力で盛況な学会になり1000人を超える方々が参加されました。今だからお話しできますが、実は教育講演の依頼がきた時には「謹んでお断りしよう」と思っていました。大変光栄で有難いお話でしたが、教育講演で著名な先生方がご講演される中、「私にこんな大役が務まるだろうか?」という一抹の不安と学会に参加された皆さんのお役に立てる講演内容を慮ったからです。教育講演をお受けしてからの数か月間は、本当に困頓とした日々を過ごしました。本当に…本当に真面目に苦悩したのですよ?

その結果、「自分は研究者でもなければ教育者でもないのだから、臨床家である自分にしかできない講演内容にしよう!!」と決意し準備しました。そうして迎えた当日は、講演開始から3分程はとても緊張しましたが、臨床現場のお話でしたので途中からは当法人職員に講義する様に、落ち着いて話せ、時には熱い口調で真情を発露することも出来ました。臨床に携わる皆さんに、透析患者さんの実りある人生や尊い命についても臨場感を持ってお伝えすることが出来たと思います。無事に大役を終えることのできた今は「案ずるより産むが易し」だった気がします。そして、講演後に私の講演に感銘して下さった方々が集まって来て下さった事が何よりも嬉しかったです。その方々の思いや涙に、これまでの苦労が報われ、想像以上の充実感や達成感が味わえました。本当に有難う御座いました。更に有難いことに講演終了直後に講演依頼が3件入りました(予定であって決定ではありませんが…)。又、この様な機会を下さいました日本腎臓リハビリテーション学会理事長であらせられる上月先生、学会長を務められました伊東先生ならびに関係者の皆様に心より感謝しております。

今回の経験から、これからは自分の言動が「他人にどう思われるか」よりも、「自分に何ができるか」を優先的に考えられる人間であろうと肝に銘じる事が出来ました。衆目の一致は困難で得られずとも、何かしら伝えられる事や私にしか伝えられない事も絶対にある筈ですから、自分の信念を裏切らずに地道に、そして着実に頑張っていこうと思います。

真面目な話ばかりでしたので最後に、最近の報道や書籍に感じたことを書きます。私は、以前より、主義主張に基づいた報道や書籍が増えたと思っていましたし、全てを丸呑みして信用してもいけないと思っていました。そんな私が、昨年話題となったある一冊の本と巡り合いました。自分で選び購入してまで読んだ本で、あんな不愉快な思いをしたのは恐らく初めてです。勿論、興味があったからこそ購入したノンフィクションと銘打った本だったのですが、主義主張や個人の擁護をして美しく祀り上げているかと思えば、他者には人権も与えていない様な表現や場面が多く、読破後にこれまた初めて本を捨ててしまいした(古い観光の本や冊子本などは別として)。私に、そこまで強い不快感と疑問を抱かせ、残念がらせたその本は、その後、多方面からバッシングを受けていました。著者も、自分の吐いた唾を呑まなければならないと思いますので大変でしょう。でも、口八丁手八丁で逃げ切るのかな?とにかく、皆さんもマスコミや本、著名人が言っている事を全て丸呑みせずに考えましょう。

H27年4月 岩根