インフォメーション 〜time now〜

 始めまして。今回のtime nowを担当させていただきますリハビリテーション部、作業療法士の桑原奏恵です。10月の中旬にケニアのナイロビ事業所へ研修に行かせていただきましたので、見てきたこと感じたことを書きたいと思います。読みにくい部分もあるかもしれませんがどうぞお付き合いください。

 訪問前、私のケニアに対するイメージは「遠い」「危ない」「暑い」「動物王国」でした。しかし、実際のケニア(ナイロビ)は私の想像と異なり、とても素敵な国でした。大分からケニアの首都ナイロビまでは約1日半かかります。確かに遠いです。そして、一般道路からシマウマ、キリンを見ることができます。ケニアには国立公園がとにかく多く、一番近く一番狭いナイロビ国立公園は空港のすぐ側にあります。にもかかわらず、公園内は3時間あっても車で回りきれない広さです。『遠い』『動物王国』はまさしくイメージ通りでした。しかし、意外だったこともたくさんあります。まず1つ目に『涼しい』。ナイロビは標高1661mと高く、この時期は日陰や室内では長袖が必要な肌寒さです。日中でもクーラーは必要ありませんでした。2つ目は『セキュリティー』。アパートやレストラン、ショッピングモールの前には塀と門があり、そこには必ず門番さんが居り、出入りする度に要件を聞かれ門を開閉してくれます。大型ショッピングモールになると、車のトランクまでチェックされます。意外な点3つ目は『交通渋滞』。信号が無い代わりに、皆好きなように進みます。その上、横断歩道も無いので、歩行者が自分のペースで横断してきます。とにかく自由です。そのため、交差点は常に大渋滞。最初は事故が起きそうでハラハラしていましたが、次第に慣れてきました。日本車のレクサスやフィット、ビッツ、プラドなど綺麗な車が多く走っている一方で、乗り合いバスはドアも無く、ボコボコに凹んでいます。などなど、滞在期間中はとにかく驚きばかりでした。

 ここからは、私が感じたことについてお話ししたいと思います。ケニアは近年、豊かになり富裕層も増えてきたそうです。しかし、それは反面、貧富の格差が開いていることであるとも言えます。労働者の約6割が日雇い労働という話も聞きました。ナイロビを訪問し色々な刺激を受け、『豊かさ』について考えました。物があり、お金があれば『豊か』と言えるだろうか。それは疑問が残ります。ケニアには、医療はもちろんのこと電気、水道といったインフラの整備も十分でなく、他国の援助が必要な部分も多々あり決して良い環境とは言えません。しかし、現地の人の人間らしく、おおらかなエネルギーを感じる生活は、現在の日本の生活には無い『豊かさ』を感じるものでした。これが私にとって一番のカルチャーショックでした。日本に帰り、自分の生活を見直して周りの環境を有難く感じながら、便利さ故に失われがちな心の豊かさを常に忘れないようにしようと感じました。ぜひ皆さんも機会があればケニアを訪れてみてください。百聞は一見にしかずで、イメージがガラリと変わること間違い無いです(^o^)

 最後に、今回一週間の長期出張に快く送り出してくれた諏訪の杜病院の同僚達に深く感謝します。

平成26年11月 諏訪の杜病院 リハビリテーション部 桑原奏恵