インフォメーション 〜time now〜

 落ち葉の色やその厚みに、秋は勿論のこと冬も身近に感じるようになりました。白くて寒い冬を越えた来春には、良いニュースをお伝えできると信じています。

 今月初旬に、鹿児島県鹿屋市にある池田病院さんをお訪ねしました。講演という機会を下さったうえに、素敵な食事会まで企画して下さいました。講演に関しましては、遠隔地から120人程の方(池田病院さんのスタッフ除く)が参加して下さっていたので、講演時間を厳守しなければ迷惑をお掛けすると思い、講演時間の帳尻を合わせる為、私は30分の予定だった講演を15分程度に時間を巻かなくてはならず、焦って早口になってしまいお伝えしたかったことが伝わったか一抹の不安と悔いが残ります(企画して下さった池田病院の皆さんにご迷惑をお掛けしたのではと思い)。食事会では、池田病院の理事長や院長、医師を始めとするセラピストや看護師・スタッフの皆様ととても意義ある親睦が図れました。人としても医療従事者としても、とても魅力的な方々でした。そもそも、池田病院さんとのご縁は、2年ほど前に当院へ病院視察に来られてからです。2年の月日が経ち、訪れた池田病院さんでは、医師やスタッフが信念を持ち、誠意と熱意で腎臓リハビリテーション(特に透析患者の健康寿命延伸)に全力を注がれていました。それと同時に垣間見たのは、医師とスタッフの固い絆です。互いが互いを理解し認め信じあう姿は、ご一緒すると関係ない私までつい笑顔がこぼれてしまう程、暖かく頼もしいものでした。このように、理性的で志のあるスタッフが集まる組織自体が素晴しいことなのだと7年ぶりに思いました。そして、この熱意と人間関係を維持・継続して頂き、患者さんや医療従事者に還元して頂きたいと思いました。私たちは、そんな皆様から逆に教えて頂くことや再認識させられることが多く、これからの活力を得たような気がします。本当に、有り難う御座いました。

 さて、日本人が忘れてしまいがちな事を改めて皆さんにお伝えしたいと思います。それは、「日本人として生まれてきたことの幸せ」と「豊かな国で暮らし、無駄に物と時間を消費している」ことです。現在の日本に暮らしていても不自由な生活を送られている方は大勢いいらっしゃるとは思いますが、それでも日本人は恵まれている方だと思います。社会資源を知り、それなりの手続きをすれば、日本国民は生活や健康を国から平等に保護してもらうことができるからです。教育に関しても同じです。ただ、それらの制度を国民に周知徹底できていないという事実と課題はあります。ですが、個人の先見の目や生き方でも人生に大きな格差が生まれる事もあります。国にだけ責任を負わせ依存するのではなく、国民も自助力を培い互助していかなくてはならないと思います。そして、当たり前の事ですが、物や食べ物、時間を大切にして下さい。「もし、物や食べ物、時間がそれだけしかなかったら」と考えて使ってみて下さい。無駄にしていませんか?そう考えて、一日一日を充実した一日にする努力をしてみて下さい。「笑って過ごしても一日、怒って過ごしても、泣いて過ごしても同じ一日」です。大変な時もあるかもしれません。でも、感謝して努力する人はいつか必ず報われます。それが、日本であり日本人の性善説というものです。

平成26年10月 諏訪の杜病院 副院長 岩根美紀