インフォメーション 〜time now〜

 8月も下旬になり、季節の変わり目を迎えます。夏の疲れを癒して体調を整えて下さい。 局地的な豪雨により甚大な被害に遭われた皆様には、お掛けする適切な言葉が浮かびません。本当に日本に住んでいて、つくづく思うのは自然と人間の造りだした環境との共存は難しいという事です。自然は生命の源であり、美しくもあり、そして時には脅威でもあります。早期復興、心と身体の回復を願っています。

 以前にもお話したと記憶していますが、人類発祥はケニアにあるグレートリフトバレーです。そして、日本人はモンゴロイドと新たに来たモンゴロイドが混血を重ねて形成されたと言われています。日本人の痕跡が10万年前に確認されたそうです。その時代から私達の生活はどの様に推移してきたのか振り返り考えてみたいと思います。

 どの辺りまで遡るのかは、勝手に決めさせて頂きます。唐突ですが、「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」は、日本人なら誰でも知っていますよね(実は、鎌倉幕府は1185年だったそうですが)。その辺からにしましょう。もともと、幕府は武家政治の政庁、又は武家政権そのものを言います。武士は、武芸を専門職とする下級貴族が「兵の家」武家となりました。鎌倉幕府は150年続き、室町幕府時代に戦国時代を迎え、1573年に織田信長が15代将軍足利義明氏を追放し戦国時代が終息していきました。1603年に徳川家康が征夷大将軍に任命され江戸幕府となり、260年続き15代将軍まで継承されました。何故こんなに長く江戸時代が続いたと皆さんは考えますか?私は、その理由の一つに家康の跡目相続の決め方があると思っています。性格や能力、健康具合に関係なく長兄に必ず跡目相続をさせたのは大きかったと思います(諸説あります)。あらら、危ない、危ない!!話がそれると長くなりますので次に進みます。その後、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中全面戦争、第二次世界大戦という悲しい歴史や時代を経て現代に至りました。しかし、戦争は本当に負の遺産だけを残しただけでしょうか?朝鮮戦争の特需により日本は国民総生産世界第2位になり、高度経済成長しました。又、皮肉な事に、人道的問題はあるものの、医学を目覚ましく進歩させたのも戦争です。第一次世界大戦後にアメリカの国際的地位は上がり、黄金の20年を迎え、アメリカ的生活様式つまり、大量生産と大量消費という画一化された豊かな生活様式を生みました。これが、良かったのかは解りませんが…。

 ところで、近代ってどういう時代のことをいうのでしょうか。きっと人と物の移動が飛躍的に拡大した時代のことをいうのだと思います。コロンブスの大航海時代に始まった世界の流通は、情報機器の出現により、更に国内外を近くしました。そして、産業革命や万博博覧会、フランス人権宣言、ナポレオン法典、明治維新、大正デモクラシーなどなども大きく現代社会の在り方に影響していると考えます。どのように時代が移り変わろうとも、私達は同じ過ちを繰り返さずに各々が平和や自国の事に関心を持ち、世界情勢を知り真剣に人類の未来を考えていかなくてはなりません。何故なら、今のこの時も歴史の一ページとなるのですから。広くグローバルな視野を持つことは、医療者に限らず大切なことだと思います。物だけではなく心豊かな人生を送る為にも必要不可欠な事だと思います。

平成26年8月 諏訪の杜病院 副院長 岩根美紀