インフォメーション 〜time now〜

 猛暑の候、脱水に注意するのは勿論のこと、栄養補給や疲労回復にも気を配って、この夏を乗り越えてくださいね(・。・;

 先月お伝えしたように、今回は『透析患者とリハビリテーション』についてお話をしますが、その効果をお話だけでお伝えするのは、説得力に欠けると思いますので回復期病棟の一年間の実績も合わせて報告したいと思います。『何故、回復期病棟の実績なの??』と思われる方も多い事でしょう…(^_^;)説明します。現在の病院施設を機能別に大別すると一般病院、地域医療支援病院、特定機能病院があります。これに加え2000年から、回復期病棟というリハビテーション(以下リハ)を専門に行う病棟が新設されました。回復期病棟のある病院は、1000を超えています。しかし、透析患者さんの回復期病棟への入棟が許可されたのは、昨年の4月からなのです。しかも、透析患者さんが入れる回復期病棟は、ほとんどありません…これが現状です(透析施設にリハ施設が設置されていないか、あってもリハが実際に行われていない事が殆どです)。
 私が看護職に就いて、今年で丁度30年を迎えました。透析医療に携わるのも看護歴とほぼ変わりません。当院は13年前の開院当初から、透析患者のリハに積極的に取り組んでいます。諏訪の杜病院に入ったばかりの頃は、リハの“リ”の字も知らず、それなりに苦労しましたし、透析患者さんの健康寿命延伸にリハがこれ程までに効果がある事さえ知りもしませんでした。透析患者さんの健康寿命延伸には、良い透析とリハをすることがとても大切なのですね。(リハって運動をするだけのことではありませんので、そこは誤解しないで下さいね!!)私は、透析患者さんが身体機能の回復に留まらず、心や人生の回復もされるという経験を沢山してきました。
 諏訪の杜病院の回復期病棟には、平成24年4月~平成25年3月31日の一年間に25名の透析患者さんが入棟されました。回復期病棟へ入棟される透析患者さんは、併存疾患や合併症に加え、回復期病棟に入棟できる疾患がある方ですから、重症度も必然と高くなります。状態が悪化して急性期に戻られる方も少なくはありません。でも、一般の患者さんと比較しても大差ありませんし、確実に身体機能などが良くなっています。

 これからも、データをもっと集積して信憑性を高め、それを広く大勢の方たちに認識して頂きたいです。そして一人でも多くの透析患者さんが、住み慣れた地域で生き活きと「そのひとらしく暮らせる」ように活動を継続したいと考えています。皆さん、透析治療を必要とする患者さんも私達と何ら変わりない「社会で生活している人」です。人生や命の価値に変わりないのです。医療の進歩と共に透析患者さんの寿命は延びています。だからこそ、透析患者さんの健康寿命延伸へのアプローチやフォローが重要なのです…どうか、ご理解下さい。

*リハのデータや効果を詳しく知りたい方は、各学会や医療雑誌に当院の報告をさせて頂いておりますので、そちらをご参照下さい。

     7月  岩根