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 最近、異常気象が多いですね。春になっても肌寒い日が続いた4月、そして5月は竜巻に雷、6月に台風が2つも発生するなどやはり温暖化や太陽の活動異常が影響しているのでしょうか!? 今回は、看護師が実施している『一般病棟用 重症度・看護必要度に係る評価票』・『日常生活機能評価』などを通じて現場の看護師が感じていること、考えていることを書きたいと思います。

  看護師なら誰でも知っている『一般病棟用 重症度・看護必要度に係る評価票』と『日常生活機能評価』をご存じの方って少ないと思います。項目がA項目とB項目に分かれており、A項目はモニタリングや処置等の医療行為の有無の評価で、B項目は患者さんのADL(日常生活動作)、平易に説明すると食事や衣服の着脱等の日常生活を送るのに必要な動作ができるか、できないか、介助を要す、要さないで評価をするものです。

 当院でも実際に、診療報酬に算定される以前より『一般病棟用 重症度・看護必要度に係る評価票』や『日常生活機能評価』を導入ました。導入して数年が経過したのですが、これらの評価には、様々な問題や課題が多いのも事実です。これらの評価を行うことで、看護師の仕事量はある意味数量化することはできますが、看護の対象者(患者)のメリットが、皆無に等しく置き去りにされているからです。更に、現場のスタッフは、「記録等の事務仕事が増え、患者さんと関わる時間が減った!!」とよく愚痴っています。

 『一般病棟用 重症度・看護必要度に係る評価票』や『日常生活機能評価』よる評価や「看護師の数」だけで医療・看護の質を評価するのはどうでしょうか? 又、 『72時間ルール』も、結果として地方の看護師や中小病院の看護師不足を加速させたと思っています。ある程度の質を保つには、それなりのマンパワーが必要なことは周知の事実ですが矛盾しています。大病院やDPC病院だけを基準にするのではなく、大多数の中小病院のことも考えて頂きたいです。そこでも、治療や看護は提供されており、医療や看護を必要としている対象者(患者)もいるのですから!!つくづく本質を忘れてはいけないと思うのです。それは「何のためにするのか?」その主体が看護を受けるひとのためから看護を提供する看護師のためにかわってしまっているのではないかということです。これらに限らず、看護師の離職防止策や労働環境の改善などの様々な取り組みがされていますが、机上の空論にならないように現場にいる看護師の声や真のニーズ、状況を把捉したうえで改革ができる組織構造に導いて頂きたいと切願します。責任の一端は、施策などに無関心、無頓着な現場の看護師が多いということにもあるとは思いますが…。様々な取り組みには、プロセスがあると思いますので今後の方向性や結果に期待しています。

 最後になりましたが、これからの看護職は、偏り過ぎて孤立しないように協調性を大切にしていかなくてはいけないと思います。つまり自己主張だけではなく、他職種を理解し信頼して協働していくということです。ここが欠けては、すべての事柄に問題がでてくると思いますし、本当に視野が狭くなり過ぎて非常にまずいと思います。これは、小さな組織から大きな組織にも通じる重要なことだと思いますよ。客観的に自身を振り返るって本当に大切です。でも、ついつい忙しくて自己主張だけで終わってしまう自分がいることも事実です。これからは突っ走るだけではなく、早歩きや休憩も交えながら前進していきたいと思っています。そして、自分の辿った道を振り返り、それが間違っていなかったか、これから進む方向が歪んでいないか、間違いはないか確認するように心掛けます。

平成24年 6月 岩根 美紀