インフォメーション 〜time now〜


 初めまして、今回time nowを担当します、リハビリテーション部 理学療法士の藤本です。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大から2年半が経ち、丸3年になろうとしています。一時期の流行が収まりつつありましたが、世間では第7波流行の話も上がっており、旅行や大人数での会食などまだまだ我慢しなければいけないことが多い状況です。そんな中、私は自宅で映画を観ることが増えましたので、今回はオススメの映画を3本紹介したいと思います。

 1つ目は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」です。
 この映画は、幼いころから筋ジストロフィーで首と手しか動かせない鹿野が自立して生活するために自らボランティアを募る所から始まります。多くのボランティアと関わっていくなかで、案に介護される側と介護する側ではなく、対等な人間同士として向き合う関係へと変わっていきます。鹿野を通してボランティアの人達も自らの気持ちを発信することで、鹿野とぶつかり合いながらも色々な経験をし、お互いに人として成長していく模様が描かれています。笑いあり涙ありのヒューマンドキュメンタリー映画です。
 自分もリハをしていく中で、患者さんに勉強させてもらっていることが多々ありますが、そのことに改めて気付かせくれる作品でした。



 2つ目は「湯を沸かすほどの熱い愛」です。
 こちらは、銭湯「幸の湯」を営む幸野双葉の夫が蒸発し、1人娘の安澄を育てながらパートで働く主婦を描いた作品です。ある日、体調不良で仕事中に倒れてしまい病院で診察を受けると、ステージ4の末期がんであることがわかります。余命2ヶ月という宣告を受けてしまいますが、治療のしようもない中、双葉は残された時間で、“やっておくべきこと”をやると決めて動き出します。
 自分は、まだ死を身近に感じていませんが、医療者として「死生観」の大切さを学ばせてくれる作品でした。



最後は「万引き家族」です。
 日本アカデミー賞に選ばれた作品なので、ご存じの方も多いかと思いますが、こちらは“万引き”という犯罪を通して繋がっていく家族の物語を「誰も知らない」「そして父になる」の是枝裕和監督がオリジナル脚本で映画化したものです。親の年金を不正受給していた家族が逮捕されるという実際の事件から着想を得たという物語で、育児放棄などの題材も交えながら、1人の少年の成長と選択を描きます。ほんとの家族とはどういうものか?何が正解なのか?と自分自身に言い聞かせ、考えさせられる映画でした。個人的には「安藤サクラさん」の1分程度の泣きのシーンが好きで、言葉は何もないが無言の中に何か考えさせられることがあり、見所です。



 映画を観ることで、ストレス発散、感性を磨ける、知識を得られるなど数多くのメリットがあります。ひとそれぞれに感じ方や捉え方があり、人生の教科書としても役に立つことがあると思います。ぜひ皆さんもおすすめの映画を探してみてはいかがでしょうか。


令和4年7月 タイムナウ 諏訪の杜病院 理学療法士 藤本 幸佑