インフォメーション 〜time now〜


　朝の空気に爽やかな秋の気配が感じられるようになりました。自宅では、クーラーが稼働しない日や使用する時間が減ってきた今日この頃です。

　新型コロナウイルス（以下コロナ）のワクチン接種は、先進国の中で日本は接種率が低いとはいうものの9月13日の報告では、1回目（63.8%）、2回目（51.6%）を国民は受けています。ワクチン接種により、発症や重症化を防ぐことに加え、感染後のカクテル療法も重症化を防ぐのに効果があると報告されました。カクテル療法は、感染後7日までに2種類の抗ウイルス薬を点滴、症状の95％ほどが改善するという事です。ワクチンは、ファイザー社製で接種後3カ月が経過すると、抗体量（IgG）が1/4まで低下しますが、発症や重症化を防ぐ効力は十分あるそうです。確かに、感染者数は増加していますが、重症化率は下がっています。この事実を、見逃してはいけません。死亡者数は、年齢や基礎疾患が公表されている訳ではないので何とも言えませんが、感染者数と比較して減少しています。ブースター接種（3回目のワクチン接種）は、5倍以上の効果があり、先進国の一部で進められていますが、WHO（世界保健機関）は、「すべての国が40％を満ちてから」と、これをけん制しています。途上国のワクチン供給不足や格差を懸念しているのでしょう。3回目のワクチン接種での副反応は、それまでの症状と比べて「同じ」か「軽い」と答えた人が88％で、重くなる傾向は認められませんでした。また、違うメーカーのワクチン接種でも、効果は認められていますが、日本では勧めていません。日本のワクチンパスの導入ですが、私はEUが導入した際に「日本も、いずれ導入するだろう」と周囲に漏らしていました。日本政府が、否定的な意見も多い中でどこまで制限をするかは解りませんが、「普通の生活」に戻すためには、必要な一歩だと私は思います。「コロナ撲滅」は、理想ではありますが、現状では無理です。これ以上の月日や犠牲を払って、撲滅を待ってはいられません。今は、人類の生活や治安を守るために「Withコロナ」なのだと考えます。

　今月、20年目を迎えた「9・11」。世界最大のテロと言われ、2,977名（日本人27名）もの尊い命が奪われ、3,000人もの子供たちが親を亡くしました。この首謀者はアルカイダのウサーマ・ビン・ラーディンでした。当時のブッシュ大統領は、「アメリカを攻撃したテロリストを許さない」と宣言し、ネイビーシールズがコードネームを「ジェロニモ」とし、2011年5月にウサーマ・ビン・ラーディンを軍事作戦で殺害しました。アルカイダだけで、これほどのテロを計画・実行できたのでしょうか？　実行犯、19人のうち15人がサウジアラビア国籍でした。サウジアラビアの関与を否めない状況証拠も次々と上がる中で、「なぜ、アメリカはサウジアラビアに制裁をしなかったのか？」という疑問が生まれます。中東には反米を掲げる国（イラン・イラク・シリア）があります。中国は、イランと経済・安全保障分野で協定を結んでいます。この様な状況の中、アメリカに協力的な中東の国、サウジアラビアは重要な軍事拠点となるため、「疑わしくを、晴らせない」理由があるのです。それに比べ、ウサーマ・ビン・ラーディンをかくまったアフガンのタリバンは、アメリカの標的となり制圧されました。これが、先月アメリカが一方的に幕を下ろした20年にも及ぶ長い戦争の始まりでした。タリバンとは、現地の言葉で「学生たち」を意味します。コーランを独自に解釈した過激な若者集団です。彼らの一方的価値観や正義で、人権が奪われないように国際社会は注視し、干渉していく必要があります。イスラム国も息を吹き返しているので警戒が必要です。そうしなければ、テロ組織は拡がり、世界の平和維持が危うくなります。

　先月、役職者会議の際、杉原千畝氏の写真を見せて「この人が誰で、何をした人物か知っていますか？」と尋ねたところ、3割程度の正解率でした。第2次世界大戦中に、ユダヤ人の命を救うために日本のビザを、政府の指示に反して発給した人です。彼は、在リトアニア日本領事館の外交官でした。アメリカカリフォルニア州は、今年7月29日を「杉原ビザの日」にしました。今では、見ることも稀な外交官らしい立派な外交官です。

　世の中には、「やらない善より、やる偽善」という言葉があります。これでいえば、杉原さんは善だと言えるのでしょう。人道支援や途上国の支援にも、いろんな形があります。いずれにせよ、長期継続をして現地の人たちが自立（律）できる支援であれば、正直どちらでも構わないと私は思います。ただ、支援する側にも、ちゃんと働いて経済的に自立はして欲しいですし、寄付する皆さんにも、団体の活動内容や資金の流れなどについては、十分に調べて慎重に寄付をしていただきたいとは思っています。それが、真の共生に繋がっていくからです。


9月タイムナウ　岩根
key word:「コロナ」「９・１１」「杉原千畝」