インフォメーション 〜time now〜


 今回、time nowを担当させて頂きます回復期リハビリテーション(以下回リハ)病棟看護師の薬師寺です。春風が気持ちの良い季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 令和元年12月に、中国の武漢で原因不明の肺炎集団感染事例として、世界保健機関(WHO)へ報告された新型コロナウイルスは、世界で流行したまま2年目を迎えてしまいました。生活様式は、これまでとはガラっと変わり、私の周りでも今まで「当たり前だったことが当たり前に行えない状況」になっています。私も旅行に行けず、他県にある実家には帰れず、旧友とも会えない寂しい日々を送っています。今では、感染力の強い変異株が拡がり、大分県でも感染者が増加しています。私たちには、より一層感染予防の徹底が求められるようになりました。当院では、感染予防対策委員会が中心となり、感染予防を徹底しています。

 私の勤務する回リハ病棟は、ADL向上による寝たきり防止と在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行う病棟です。私たち看護師は、患者さんが住み慣れた地域でその人らしく生活できるように、患者さんやご家族に生活・疾患教育を行い、退院前には、住宅訪問をして、実際に生活される自宅の環境を整えます。勿論、退院前カンファレンスにも参加して、多職種で情報共有をし、患者さんやご家族に寄り添った退院支援を行っています。しかし、コロナ禍では、これらの事が思うように実施・開催ができず、患者さんが安心・安楽に生活を送るための支援を模索する毎日です。面会制限により、家族への各教育も積極的には行えないので、援助方法(注入やオムツ交換、移乗等)を動画で撮影し、患者さんは立ち会わず、スタッフと家族だけで、了承を得て実施する形にしました。患者さんの外出や外泊も感染を避ける為に規制させて頂いているので、住宅訪問や外泊訓練も積極的には行えない状況です。今は、ご家族に自宅を撮影して頂き、その写真を基に担当で話し合って福祉用具や住環境調整のアドバイスをしています。また、その住宅環境を踏まえたADL訓練の実施もしています。

 面会制限を、一時緩和した矢先の感染拡大により、再度面会が禁止になってしまいました。ご家族と会えない事で、患者さんの意欲や認知機能の低下、ご家族の不安の増大、両者に淋しい思いをさせてしまうことに胸が痛みます。少しでも、気持ちが休まるように、電話での会話や病棟の様子をこまめにお伝えするようにしています。このように、柔軟な対応をしていく事で、仕事や私生活で新たに気付くことや学びがあります。「当たり前が当たり前でなくなった」今の生活にも慣れてきました(少し窮屈ではありますが…)。

 当院でも4月20日から、新型コロナワクチンの接種が始まりました。私も1回目の接種が終わりました。今は、医療従事者の優先的なワクチン接種ですが、一般の方にも一日も早い接種が可能となり、収束することを願っています。そして、自由にどこにでも行き来ができて、会いたい人に会える日が戻る事を願っています。





5月タイムナウ 諏訪の杜病院 回復期リハビリテーション病棟 薬師寺