インフォメーション 〜time now〜



 新しい年へのカウントダウンが始まりました。今年は、新型コロナウイルス(以下コロナ)に始まりコロナで終わる気がします。人類は、これまでも幾多の困難を乗り越えてきました。信じましょう。

 先月のタイムナウでお伝えしたように、私はケニアに赴任しています。コロナの影響で、大分からだと移動に丸3日以上かかります。久しぶりの長旅を案じておりましたが、何事もなく無事にケニア入りすることができました。9ヶ月振りのケニアは、昼間は太陽を近くに感じ、朝や夕暮れ時は涼しく爽やかで、早朝や夜は冷え冷えしていました。到着した日と翌日は雨で、すごく寒かったので「日本と変わらない」と思いました(大袈裟💦)が、三日目からは天気に恵まれ、ケニアの位置と高度ならではの私を魅了してやまない青い空とぽっかり浮かぶ可愛い白い雲を近くに見ることができました。これらは、私を空の高見で生きているような感覚に浸らせてくれます。やはりケニアは、暮らしやすい気候です。不思議なことに、9か月振りにも拘わらず、すんなりと普段のケニアの生活に戻ることが出来ました。ケニアは、私の第2の住まいになっているようです。ショッピングモールや街角には、クリスマスの飾りがしてありナイロビには普段と変わらぬ活気がありました。今回、日本との往来で不自由さなどが骨身に染みたので、改めてコロナの収束を強く願うばかりです。コロナ収束後には、「ケニアに行きたい」と言っている看護師の従妹やその弟、その他の皆さんにも素敵なケニアを案内したいです。

 ケニアでの仕事ですが、私は現場にも出ますがケニアの医療資格を持っていないため直接患者さんに医療処置を行うことはできません。現場でできるのは、バイタルサイン、体重、身長測定と簡単な状態説明や疾患教育くらいで、後は患者さんが気持ちよく検査が受けられるように環境整備や気配りをしてスタッフに指示をします。それでも、言葉の壁は高く厚く、変な汗を流しながら現場に就いています。武居院長と作業療法士は、ケニアのライセンスを取得しているので日本と同様の診察や治療、リハビリテーションができます。ケニアでの医療ライセンス取得にも言葉の壁は高く厚く私を阻みます。「もう少し真面目に英語の勉強をしておけばよかった」と思いますし、海外では修士、博士くらい取得しておかなければ活動展開が困難であることを痛感しています。これから海外の表舞台で活躍しようとお考えなら、これらをクリアしておくべきです。ケニアでの仕事に話を戻します。私の頭を悩ませるのは、ケニア人職員との文化や価値観、常識の違いです。これは、何年経っても解消されません。勿論、通じることもあるのですが頑固な彼らを説得するには信念だけでなく、時間と労力、根気が必要です。例えば、コロナ禍において職員と患者を護る感染予防の観点から両者にマスクの着用を指示したところ「着用する必要はない」「マスクがない」と言い張るのです。確かに、一時期マスクの供給はケニアでも不足していましたが、全く協力的ではありませんでした。しかし、時期遅れてケニア政府がコロナ予防対策の指針を出すと、態度を一変させ「マスクが足りない」「職員にフェースシールドやキャップをつけさせろ」などの過度な要求までしてきます。この一件でも、私の日々の心労が伝わりますか?私は日頃から、ケニアだから日本だからということではなく、「患者さんにとって質の高い医療、より良いサービスを提供する」ためにという信念の基に、一貫した言動をケニア人職員に貫きます。だから向こうも、私を「頑固で融通の利かない人間(おばさん)」と思っているはずです。それでも、ケニア人職員に助けられてケニアでの事業が継続・展開できています。ケニア人職員は私の大切な仲間であり友人です。これからも、手に手を取り合って質の高い医療、より良いサービスの提供をケニアでも目指していきます。因みに、うちのケニア人マネージャーは高学歴(博士)ですが、日本の飴玉を私にねだります。飴玉を分けてあげると、子供のような笑顔で一瞬だけでも機嫌が直ります。可愛いでしょう?でも、いざという時には凄くたくましくて心強い味方に変身します。現地雇用職員は17名になりました。

 それから、メディカルセンターの他に新たにリハビリテーション(以下リハ)センターを開設しました。本院にもない最新の器機を設置して、医学的根拠に則った日本式のリハを提供します。この新施設開設準備でも、ケニア人とは、ひと悶着もふた悶着もありました。しかし、今回の渡航中に無事にオープンできました。

 巡回診療(メディカルキャンプ)は、コロナの影響で開催できません。2013年から始めてこれまで75回開催6万人以上の診療に携わってきました。巡回診療は、病気やケガ、感染症などの診察や治療で終わらず、疾病や感染予防、スラム街住人が受診する機会も与えます。コロナが落ち着いたらナクル保健省と再開予定です。





12月タイムナウ 岩根
Keyword:ケニア事業