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 5月に入って美しい新緑が目に映えます。美しいですね。自粛生活が続く中、皆さんはどうお過ごしですか?私は本を読み、溜まった仕事や断捨離に時間を有効活用しています。

 新型コロナウィルスは何時収束に向かうのでしょうか?これまで人類は、14世紀のペスト、1918~1920年のスペイン風邪(一種のインフルエンザ)の流行で、戦争より多くの犠牲者を出してきました。14世紀のペスト流行では、世界人口4億5000万人の22%にあたる1億人が死亡したと推計され、スペイン風邪では5000万人が死亡したと推計されています。それらのパンデミックは、社会構造の変化を強いる程の大打撃を与えてきました。だから、今回の新型コロナウィルスも間違いなく社会構造に大きく影響する事でしょう。経済的なダメージは、リーマンショックを超えるかもしれません。既に、新型コロナウィルスの影響を受け大手アパレルのレナウンが民事再生手続きに入り、あの世界のトヨタでさえ営業益予想79%減を発表しました。GDPが、5~10%下がると予想する専門家もいます。検察定年延長の前に、国の指導者(リーダー)たちは、国民の命と生活を守ることを最優先しなければならないのに、何に熱を上げているのでしょう。

 「神は、何故この様な試練を人類に与えるのだろう」というのが私の脳裏に突然浮かびました。カミュは著書「ペスト」で「不幸や不条理があることを人間に知らしめるために、ペストはまた現れる。」というような表現をしていました。私は、ポピュリズムや利己主義がはびこる人類に、少し考える時間を神が与えてくださっているように思えます。今回のパンデミック(新型コロナウィルス)で現代人に、大切にしなければならない価値観や我慢する事を覚えさせ、人間相互の連帯の重要性を見失わないように、人類を導こうとされているのではないかと考えたのです。このパンデミックで世界各国の環境が改善したとも伝えられています。PM2.5の減少、汚染や騒音がなくなったおかげで野生動物や海洋生物が自由を満喫しているそうです。これは、少し嬉しいニュースですよね。皆さん、ウィルスの毒性の変化は感染速度が重要となりますので、各々が少しずつの我慢を続けて乗り越えましょう。

 今回の新型コロナウィルス流行の経験を活かし布石を打っておきたいものです。これから日本は夏を迎え環境が良くなります。しかし、南半球はこれから寒くなり新型コロナウィルスが流行するかもしれません。そして、秋になると新型コロナウィルスが日本に戻ってくる可能性が高いです。だから、それに備える必要があります。ワクチン開発に期待を寄せていますが、今後は正確で早期診断が可能な検査の確立とその普及体制を日本各地に配置して、検査体制も十分に整えておく必要があると強く思います。備えあれば憂いなしです。

 最後に、米中の対立が強まり両国の溝が深まっています。トランプ大統領は、中国との国交断絶も厭わない発言をしており、中国も狼外交を繰り返しています。海外では、アジア人へのヘイトクライムが激しくなり、嫌がらせや暴力が横行しているニュースや動画が取り上げられています。日本でも、自粛警察なる県外ナンバーへの差別や勝手な正義で独自の制裁をする人たちがいます。これが、唯一理性を持つ筈の人間の今の姿です。常識(ふつう)の定義や正義も更に曖昧になり、自分都合でそれを振りかざす輩が今後も増えるのでしょう。



5月タイムナウ 岩根
Keyword:パンデミックから考えること