インフォメーション 〜time now〜

 今回の医療は「ナイチンゲール」のお話をさせていただきます。看護師でなくとも名前くらいはご存じなのではないですか?ナイチンゲールは、一体どんな活躍をクリミア戦争でしたのでしょうか?それは、現代ではごく当たり前になっている事をして、死亡率を73.0%から赴任半年で5.2%にまで下げたのです。その当たり前のこととは、①換気②日光を室内に採り込む③ネズミや害虫の駆除④包帯や寝具の交換⑤洗濯と乾燥の場所確保⑥調理と配膳⑦トイレの清潔保持です。そして、何より兵士に「国に帰る希望」を持たせたことが大きかったと思います。彼女は、90年の生涯でわずか3年しか看護師はしていません。その当時、ドイツの施設で3ヶ月学べば看護師になれたので、臨床経験は非常に短いです。クリミア熱に侵され生涯の殆どを療養していた彼女は、その間に様々な書物を遺しています。イギリスの裕福な家庭のお嬢様だった彼女が何に突き動かされて、敢えてあの時代に看護師になったのか、彼女の求めていたものは何だったのか、彼女を知らない看護師も多いのでは?

 彼女とは違い名もない日本国民が、「貧乏人は存在するが貧困なるものは存在しない」「世界中のいかなる国民でも、礼儀という点で日本人に勝るものはない」「彼らは第一級民族。勤勉で礼儀正しく勇敢」と日本を訪れた諸外国の著名人たちに評されていました。又、日本人が台湾に持ち込んだ「勤勉」「向上心」「正直」「仕事を大切にする」「約束を守る」「時間を守る」を台湾の人たちは今でも大切に受け継いでいます。皆さん、ご存知でしたか? 私たちは、これらの日本人の精神を受け継でいるでしょうか? 現在の日本を見ていると、豊かな国の筈なのに心は貧しくなっているように思います。報道やSNS、職場などを通じてそう感じることが多いです。観念論と現実主義、ゲミュートローゼ…本当に悲しいです。

 タイムナウは、光心会や共生の会、ケニア事業に医療の情報発信のツールですが、私の身の回りに起こった事や心情を克明に表してお伝えする場ともなっています。お読みになる方々の実りある豊かな人生の何かしらのお役に立てればと願って毎月書いております。先月は、吉田松陰先生のお言葉でお伝えしたのですが十分でなかった気がするので、今回は「ナポレオン・ボナパルト」の言葉を載せます。「私の辞書には不可能の文字はない」がよく知られていますが、元々の文章は「不可能という言葉は愚か者には妄想、臆病者には逃げ口上、権力者には自らの無能を語る言葉である」でした。ここに彼の気概と気骨を感じます。そして、島送りにされた彼の言葉「自分の没落の原因は自分以外の何ものでもない。自分こそ身の大敵であり身の不幸の作り手だった」です。凄くないですか? さすがの自己考察力です。そして、御子息に「歴史を読み歴史についてめい想せんことを祈る。歴史だけが真の哲学なのである。しかし、心の底にある聖なる火、あの善に対する愛をもたないならば、何を学ぼうとも役立たないであろう。」と遺しています。とても深く、子を思う切な親心も汲み取れます。

 今年の年末年始を、私はどうにか日本で過ごせそうです。それでは、楽しいXmasや年末年始を皆様が過ごされることを祈りつつ今年最後のタイムナウとさせていただきます。いつもお読みくださり有難う御座います。来年も宜しくお願い致します。




12月タイムナウ 岩根

Keyword:ナポレオン・ボナパルトの生涯から