インフォメーション 〜time now〜

 今回のタイムナウは、日本からお伝えしています。日本は、蒸し暑いですね。

 先月、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に54の国と機関が参加して、8月28日~8月30日に横浜で開催されました。その中で安倍首相がスピーチ(基調講演)をされたのですが、私が感心したのは、アフリカ諸国の首脳陣に「中国の借金漬け外交の危険性に警鐘を鳴らした」ことでした。これは、中国が多額の融資とともにインフラ整備をして国を債務超過の状態に陥らせ、港や空港などの施設の権限を中国に譲渡するようにしている事案が多発していることを指摘したのです。まるで、現在の植民地化です。確かに、ケニアでも中国のインフラ整備等の進出は凄いです。安倍首相のこのスピーチに、アフリカ各国の人々からコメントが寄せられていたようで「親身な言葉をありがとう」や「まるで自分たちは子供じゃないか。自分では何もできずに頼ってばかりいる」という内容のものも含まれていました。彼らも、自立(律)や自主性の必要性を分かっているのだなと安心しました。しかし、理性とは別に、どうしようもない現実や惰性的な選択をしてしまう環境も存在するのでしょう。ところで、安倍首相のスピーチでは武居院長が紹介され、私たちのケニアでの活動も合わせて紹介されました(外務省のホームでご覧になれます)。TVに映る先生を観て、報われた気がしました。アフリカでの活動にご興味のある方は、UHCをお調べいただければ、日本国や私たちが途上国で目指しているところがご理解いただけると思います。

 さて、中国の話に戻ります。米中貿易戦争の硝煙の中、先日観たニュース番組によると中国では、企業倒産と国外移転に伴う店舗の閉店ラッシュが続き、ショッピングモールも閑散としているそうです。今から、5年以上前に私が訪中した際も高層マンションの空き部屋が目立っていました。中国経済発展のからくりが白日の下に曝される日も近いでしょう。

 経済成長をする中で、中国はイギリスに追い付け追い越せで製鉄に力を入れ、その後もなりふり構わない政策により、世界第2位の経済大国にまで昇り詰めることができましたが、彼らには儒教の教えもどこ吹く風となり、利益のためなら手段を択ばない姿勢に先進国の国民だけでなく、開発途上国の国民も{NO}の声を上げ始めています。どうなるでしょう?

 最後に増税まで残りわずかです。1997年4月の3%から5%の増税時は、表現規制がなかったので、業者の還元セールの惹句に「税は負担しなくていい」という誤った認識が広まり、2014年4月の5%から8%の増税時には、政府が「消費税還元セール」を禁止しました。その結果、消費が冷え込みました。今回の増税では、ガイドラインを作成し消費の冷え込みを防ごうとしています。日本は、先進国の中でも課税の少ない国です。巨額の国債に人口減少、経済成長の伸び悩み、この先この難題をあの手この手で日本は乗り越えていかなければなりません。私たちの安全で快適な生活を守るには経済政策がとても重要となります。厚労省が湿布薬の処方枚数制限をして、それを超える湿布薬の自己負担を検討しているようですが、医療費削減は国民のすこやかな生活に大きく影響するのでやめて欲しいです。それよりも、国民各々が自宅で眠らせる薬のないようにする方が、よっぽど医療費削減に繋がると思うのですが…。みなさんも、無駄な受診やお薬の自宅ストックはやめましょうね。


9月タイムナウ 岩根

Keyword:縮小する経済に向けて