インフォメーション 〜time now〜

 今回のタイムナウは、ケニアからお届けしています。皆さんには申し訳ないですが、ケニアは一年中過ごしやすい気候なので、梅雨の日本から戻った私は快適に過ごしています。

 日本では梅雨入りして、各地に大雨の被害が相次いでいます。いつも、日本で問題になるのは、いつどの時期に住民が避難するかです。気象庁が避難情報を流しても、避難する住民は限られています。避難しなければならない地域にありながら避難しない理由に、「外に出るより家にいた方が安全」「避難場所や避難所の環境の劣悪さ」「距離(遠い)」などを住民は挙げていました。確かに、日本の避難所は欧米や韓国と比べて低いレベルにあります。プライベート空間やインフラが確保できないのは、心身の疲労を生み違った意味の二次災害をもたらします。イタリアのように、災害対策に法律を定め徹底した被災者の生活環境づくりのためのシステムを国にはして欲しいですね。豆知識ですが、皆さんは「避難場所」と「避難所」の違いをご存知ですか?避難場所は、一時的に災害を避ける場所(公園など)で、食料などの備蓄がありません。一方、避難所は、暫く避難生活を送る場所(学校や公民館)で、食料などの備蓄があります。日頃から、災害時のための情報収集(避難場所や避難所、ルートなど)やいざという時の物資の準備をしておくのが得策だと思います。

 さて、医療に関するお話を続けて二つしたいと思います。一つ目は、早ければ2021年度に改定されるかもしれない医療制度についてです。「かかりつけ医の定額制」のお話です。かかりつけ医に登録すれば月定額で診療や相談ができるようになります。メリットとしては、気軽な受診が可能となるので病気の予防や悪化予防に繋がります。又、待ち時間の短縮も期待できます。その反面、デメリットとして、患者が医療機関を自由に選べる原則が崩れる恐れがあります。それに、下手すると診療所などの経営を圧迫する可能性も出てきますね。まぁ、これは注視していかなければなりません。

 次に、出生前検査のお話です。主な出生前検査には非確定検査(母体血清マーカー検査・NIPTなど)と確定検査(羊水検査・じゅう毛検査)があります。この検査と意味を、妊娠する可能性のある人は知っておくことが大切です。妊娠して軽い気持ちで受けてしまうと、心身にとても大きなダメージを受けてしまう可能性があるからです。「産む」「産まない」の判断を中絶可能な期限(妊娠22週未満)までにしなければならないのです。ただ、私が言えるのはどちらの選択をしても間違いではないと言う事です。ご家族が、考えて考え抜いて出した結論であれば、それが正解です。出生前検査は、様々な問題や課題が残されています。今後、どちらの選択をしても親子が守られるようにして頂きたいですね。

 最期に、ある有名なお寺の住職のお言葉をご紹介して終わります。「なすべきことに一所懸命努力する生き方を見出すことであります。努力を尽くせば、どんな結果でも悔いなく受け容れられる筈。そしてその結果を生活にどう生かしていくかが最も大切なことなのであります。祈りとは無心になって真実のすがたを見つめ、縁を生かしていけるような清々しい心を見出すことで、それが祈りの御利益であります。」と書かれてありました。この内容は、御祈祷の御利益に限らず、人の全ての道に通じる気がしました。


7月タイムナウ 岩根

Keyword:努力