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 皆さん、こんにちは。リハビリテーション部、理学療法士の長尾です。私は当院に入職して10年目になります。今回は、私の趣味である「マラソン」について紹介をしたいと思います。長文になりますが、どうか最後までお付き合いください。

 私は高校時代、陸上部に所属しており毎日のように陸上競技場を駆け回っていました。当時の写真や練習日誌をみると青春時代を思い出し懐かしいです。

 もともと走ることが好きで始めた陸上でしたが、専門学校時代や就職後は慣れない環境やどんどん変わってしまう自分の体型や低下する体力など……なにかと理由付けて走ることを遠ざけていました。マラソン大会には定期的に出てはいましたが、いつしか全力で走ることから逃げていたように思います。そんな時、昔からの友人やテレビでみる有名選手に憧れや勇気といった感情を抱き、『自分も誰かを励ましたり、力をあげたりすることができるのではないか』と自分の心が動きました。もう一度走ることに一生懸命打ち込みたくなり、陸上生活を再スタートしました。

 『やるからには真剣にやろう』と思ったものの、なかなか体がついてこなかったことを覚えています。しかし、1回5キロ、1ヶ月に100キロなど目標を立て少しずつ走れるようになってからは走るのがどんどん楽しくなってきました。今では1ヶ月に200キロ以上走ることが当たり前になりました。夏には高校生達と陸上競技場の試合に出場、秋冬には色んな場所でマラソン大会に出場して大会に出ない月が無いほどです。

 走り出してからは体調を崩すことも少なくなり、好きな服を着ることもでき、好きな物を食べても体型を維持できたりするなど…良いことばかりです。それ以外にも、走ることを「また始めて良かったな」と思うことがいくつかあるので紹介します。

① 人脈が増える

 病院内で声をかけると、職種に関係なく色んな方が大会に出てくれます。また、私の周りにはランナーが多く、他院で働かれている方などとも交流することができます。自分の親と近い年代の方と走ることも多く、毎日色んな方と楽しく走らせてもらっています。また、高校時代の恩師をはじめ先輩・後輩はもちろん学生時代に凌ぎを削ったライバルにも再会することができました。

② 時間管理が上手くなる

 1日の時間は24時間で狙った大会までの期間も決まっています。これらは、みな共通で平等です。走り始めてからは、「今日はこの練習をしたいから○時までには仕事を終わらせたい」など仕事のメリハリがしっかりつくようになりました。それでも、走る時間が取れなければ朝走るなどして、いつしか時間を作るようになりました。

③ 時間を忘れて打ち込むことができる

 好きなことをやっているからかもしれませんが、30キロを3時間ほどかけて走る、休みの日に早朝から久住に出向き走る…など仕事のことを忘れるくらい無我夢中になって走ることがあります。みなさんも何かに迷ったときに後先考えずに、2時間ほど走ってみてはいかがでしょうか?

④ やればできるという自信が持てる

 マラソンは自分と向き合い、きちんと計画を立てて、当たり前のことを当たり前にやれば必ず結果がでる競技だと思います。大人がマラソンにのめり込んでいくのはこういうことも一つの理由なのではないかと感じます。私は市民ランナーです。不思議なことに失敗したからといって、後ろ向きになるのではなく、『だったら次はこうしてみよう』といった前向きな考えが持てるような気がします。

⑤ 自分を知ることができる

 一緒に走ってくださるシニアランナーに『マラソンは自分を知らないとできないスポーツだよ』と教えて頂いた事があります。マラソンの基本は、『自分の決めた設定ペースを守れるか』といったことが完走の鍵です。このペースというものは遅くても、速すぎても失敗し、不本意な結果(タイムが出ない、完走できない)に終わります。これを知るのが、日頃の練習だと思います。フルマラソンはごまかしが効かず基本的に奇跡やマグレはおきないと思います。なので、自分を知り狙ったタイムが出せることは本当に嬉しいことだと思います。

⑥ 感動がある

 『マラソンはその人の人生観を表す』と表現する方がいます。人それぞれ走る理由やストーリーがあるように思えます。練習や走っているときは圧倒的にキツイことが待っています。また、日頃の生活でも色んなことに悩むこともあります。そんな、複雑なことがある中で、フルマラソンでゴールすると不思議なもので涙が出ることがあります。応援してくれる方にも元気を与えることができるように思えます。私自身も、ランナーに勇気づけられることは本当に多いです。

 マラソンの魅力はまだまだ語りつきないですが、数年のうちに成し遂げたい目標があります。一つ目は大分である別府大分毎日マラソンで自分が狙った結果を出すこと、二つ目は故郷の地元選手として大分県内一周駅伝に出る事です。どちらの目標も今日明日にすぐにできる目標ではありませんが、これまで通り目の前の練習や試合に一生懸命取り組み、しっかり自分に向き合うことで夢ではなく達成が可能な目標だと思います。武居院長は私達に『仕事も遊びも一生懸命』と諭してくれることがあります。市民ランナーとして時間はより限られているとは思いますが、環境を言い訳にせず、その時その時を大事にして、支えてくれる周りの方にしっかり恩返しができるよう今後も頑張ります。



7月タイムナウ 諏訪の杜病院 リハビリテーション部 理学療法士 長尾貴幸