インフォメーション 〜time now〜

 今年のカレンダーも残り一枚となり、師走の風の冷たさもひとしおですが、皆さんお元気でお過ごしでしょうか?

 お正月の風物詩といえば、おせち料理ですね。日本の長い歴史の中で培われた日本料理の伝統である五法(生物・煮物・焼き物・蒸し物・揚げ物)で食材を巧みに使い、繊細な手法、技術を屈して、験を担ぎ料理で会話を導き出す和(なごみ)の時を生む、これがおせちだと思います。実は、日本の宿泊施設にはこの料理と関連する歴史があるようで、「旅籠」は元来、飼葉を入れる籠のことでしたが、江戸時代に食事を提供する宿屋を表す言葉となり、米を持参し自炊する宿屋を「木賃宿」、大名や貴人、賓客などのための「本陣」「関所」と用途に応じて様々なスタイルの宿屋が存在していたようです。ご存知でしたか?

 さてさて、今年一年を振り返ってみましょう。多様化する価値観やニーズ、それに呼応するかのように蠢く世界での出来事。強国の政治的やり取りや事象、日本の外交をみていて不安になります。韓国は国際法を無視してまで日本企業に賠償金を請求して、それを司法や国も支持するなんてあり得ません。韓国の文在寅政権の性格を良く表しています。又、HUAWEI(ファーウェイ)CEOの逮捕もアメリカの政治的策略が見え隠れしています。中国も、それに対抗してカナダ人3名を拘束しました。経済と情報の奪い合いの熾烈な戦いです。何が正義なのかもわからなくなってしまうような混沌とした時代の荒波に、出口のない無明長夜の中を延々とさまよっているような感覚に陥ります。

 トマス・ホップズ(イギリスの哲学者)が、「神も封建領主もいなくなった社会は、まさに万人の万人に対する戦いの場である」と述べています。これは端的に自由、平等な個人がそれぞれの利益(エゴ:利己と自我)を追求しながら社会を形作るという発想の中で、エゴのぶつかりあいとその調整が社会統合の原理で、人間を利己的解釈から捉えていますが、社会を見渡すと当たっています。

 あるTV番組で、上司が若手スタッフに過剰な気遣いをする忘年会の様子が流れていました。インタビューで、その上司は「パワハラ、怖いから」って答えていました。又、お酌や昔話もパワハラになるのでしないそうです。この映像を観ていて、倫理観をはき違えているのではないかと思いましたが、大多数の人が「それが正しい」といえば常識で、「それは悪い」といえば「悪人」になるのです。今の世知辛い世の中で衰退する労働観や低下する職場の連帯感も頷けます。こんな時代に折れない心を持って仕事をするには、首尾一貫した理念や哲学を持ち、それに則って生きることが肝要です。そして、考えるだけ考えて、俯瞰的第三者が納得できるようなできる限りの手を打ったなら、「ジタバタしても仕方ない」と腹を括りやり遂げることだと思います。無慈悲なまでに乾いた世界の中で、泰然として構えられるようになるには、これしかありません。でも、きっと「正義」はどこかにあるから、良いことも悪いことも、人にしたことは全部自分に却ってきます。今すぐにじゃなくても、10年20年後には必ず却ってきます。だから、それを信じて「心の目で見て 理性で判断」する努力を重ね、未来でその選択や行動を恥じないですむようにしましょう。人間は一時の感情や自分に負けて必ず失敗を犯してしまいますが、失敗したときには、素直に認め反省して修正をすれば良いと思います。そして、失敗から学んだことを活かして忘れないことです。これを繰り返しながらでも、少しずつ進歩しましょう。

 🌸それでは、皆さんが朗らかに年末年始を過ごせますように🌸


12月タイムナウ 岩根

Keyword:労働観や連帯感をいかにして育て守るか