インフォメーション 〜time now〜

 5月に梅雨入りしてから、やはり雨の日が続きますね。でも、「晴れ女」の私は、お出掛けの時に天候に恵まれるので助かります。家族や友人達からも「凄い!晴れ女!」と言われています。

 我が国の少子高齢化は、未来に暗い影を落としています。例えば、国立社会保障・人口問題研究所のデータでは、今後30年で人口が2000万人以上減少し、その中でも特にひどい落ち込みをするのが地方で3割減が見込まれているそうです。因みに、2045年以降も人口減少は続き2065年に8808万人になるそうです。生産年齢人口比率は、2015年の60.7%から51.4%になりそうです。日本が世界に誇ってきた国民皆保険は、2024年に崩壊に向かうのではと言われています。これこそが、日本の抱える深刻な問題です。日本政府もこれを看過せず、保育料の無償化などの策をとっていますが追いつかないでしょうね。縮小する経済、絶対ではなくなる社会保障、当然の権利と甘えて依存ばかりもしていられない状況にあります。日本国民はどうするべきか、未来を見据えて真剣に考えなくてはなりません。

 話がガラッと変わりますが、最近のマスコミや世論に、頸椎が折れるくらい首を傾げているのは私だけでしょうか?「人の噂も七十五日」と言いますが、社会から排除、排斥された人間が元の生活に戻るのは困難な世知辛い世の中だとつくづく思います。大きな組織や地位のある人物に対してのバッシングは凄いと言うより酷いですね。確かに許されない過ちを犯したのでしょうが、殺人事件よりも時間を割き議論されているのはおかしいと思います。自宅取材をして、住所が特定されて晒されるのもOK? 被害者家族の「そっとしておいて欲しい」という一文をマスコミ各社が意図的に削除して報道するのは、罪には問われないから見過ごしても構わないのでしょうか? インタビューの際の非礼なあの態度や口調、見ていて恥ずかしくなりませんか? あれだと、インタビューされた側は、痛いところを突かれたからというより、人として侮辱を受け社会人として不快にさせられて、誘導されているように見えます。真実を暴くという正義が、そこには微塵も窺えません。悪意に満ち溢れています。他人の人生を弄ぶようなマネをしてはいけません。マスコミに携わる人間としての資格や誇りが不足している気がします。今後は、質疑の冒頭で伝えているであろう所属する会社名も放映するべきなのではないかとさえ思います。マスコミという大きな隠れ蓑から、多少なりとも個人が覗けば、常識や良識が蘇るのではないでしょうか。

 太宰治先生の『人間失格』の一文に「世間とはいったい何でしょう。世間じゃない葬るのはあなたでしょ。世間とは、きっと個人だ。許すも許さないもありません。そして、自分の飲酒はしだいに量が増えていきました」(原文のままではありません)とありました。個人が世間なのです。だからこそ、各々がきちんと責任ある言動をとりましょう。こんな時代だからこそ、この言葉は私の胸には刺さりました。

 最後に朗報です。透析室が真摯に取り組んでいる医療リテラシーを埋める患者教育で、透析患者さんが知識を身につけるだけではなく、それが日常生活で習慣化され体重増量などで自己管理に効果が現れて、エビデンスが構築されつつあります。本当に感慨深いです。この小さな一歩が、透析患者さんの健康寿命延伸・QOL向上まで繋がると信じています。これまで、様々な教育方法やそのアンケート調査はありましたが、それを客観的に可視化して評価する報告は皆無に等しいと思いますので、そういった研究の一助にも繋がればとも考えています。今後も、患者さんへの還元を第一に取り組みを継続します。これを、6月に神戸で開催される日本透析医学会学術集会総会で報告させて頂きます。


平成30年6月タイムナウ 岩根

Keyword:世間と常識