インフォメーション 〜time now〜

 今年も、残すところ数日です。時間の感覚って不思議ですよね。給料日から次の給料日までは、お財布事情で凄く長く感じるのに、一年はアッと言う間に過ぎます。私だけですか!?

 例年通り、この一年の振り返りをザックリします。今年も色々ありました。スポーツ界の日本人選手の活躍。相撲界では、白鵬の通算勝ち星1,048勝で単独1位。将棋界では、藤井4段の29連勝に羽生竜王の史上初の永世7冠。あと、芸能人や政治家の不倫や不適切な行為の露呈。因みに欧米では、文化的に政策の活動性が重視され、マニフェストが守られていれば評価に値するので「政治家の下半身は問わない」という考えが主流だそうです。私は、天皇陛下の退位決定や新元号がとても気になります。他にも、不安定で危険な綱渡りをしている国際情勢も気になります。皆さんは、一年振り返ってどうですか?

 今回は、文化のお話からします。まず、文化の定義からです。ある特定の集団メンバーによって後天的・歴史的に形成され共有される生活様式の総体系(Kluckhohn)。ある集団メンバーによって幾世代にもわたって獲得され蓄積された知識、経験信念、価値観、態度、社会階層、宗教、役割、時間―空間、宇宙観、物質所有観といった諸相の集大成(岡部)とあります。生まれつきに文化を持つ人間はいませんので、文化は学んでいくものだそうです。文化の違いによって、様々な価値観やマナー、美徳なども違ってきます。エクマンとフリーゼンの研究では、喜び、怒り、悲しみ、驚き、険悪、恐れ、好奇心の七つの感情の表情にだけ文化の枠を超えた普遍性があるとありました。これらを学んでいると、異文化間のコミュニケーションは、言葉の壁より厚く高いことを実感させられます。例えば、日本人が写真撮影でとるピースサイン、もともとはベトナム戦争で戦争に反対する人たちが、反戦の意志を戦車に向けてしていたサインなので、他国の人にはこのポーズをとる理由が解らないらしいです。日本人の手招きも、外国の人たちからすると「来い」なのか「あっちへ行け」なのかわからないようです。日常のほんの些細な事象も、文化の違いで解釈が違うという事です。参考になりました?

 先日の深夜1時に、突然息子から「無知の知」の問いかけがあり、私は自分の知り得る限りの知識を、ソクラテスの「無知の知」からプラトン、アリストテレスまでと人類の歴史も交え直ぐに返しました。「変な親子」「面倒くさい」と思われるでしょうが、この習慣は昔からなので仕方ないのです。「無知の知」は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉です。「自分は何も知らないが、何も知らないことを知っている」という意味です。私が感服した言葉の一つでもあります。自身の無知を自覚して、その後そこで止まらず、真理を知りたいという熱い情念に駆られ、突き詰めていくのです。実は、物理学者・天文学者・数学者だったニュートンも同じような言葉を遺しています。意外と驚かれる方も多いかもしれませんが、ソクラテスは畳みかけるように問いを投げかけ続けて、相手を袋小路に追いやっていました。そうする事で、相手に「わかっている」のではなく「わかっているつもり」じゃないかと言う事を気づかせたのです。この手法は、仕事場でも使えます。例えば、ある業務遂行に関して、担当者に確認や質問をしていく、すると相手は、自分が出来ていない、若しくは配慮や考慮が足りなかった事に気付く、そこで「やった」のではなく「やったつもり」だったと理解・納得できます。今の世の中だと、この手法はイジメだのパワハラだのと言われるかも知れませんので、相手に信頼がないと無理ですけどね。話を戻すと、本を読むだけに留まらず血肉化していくと、いつか何かの役に必ず立ちます。私の尊敬する福沢諭吉先生も、西洋思想からの影響を大きく受けています。デカルトの「我思う、ゆえに我あり」と「学問のすゝめ」に通じるものも感じます。「因習に従うのではなく、自分一人で立つ気概、学問と知識を持ち判断して、自分で考えて自分の足で立つ」ことを説いているのだと思います。高次な次元で捉える事が困難でも、私たち人間には、長所と短所が分かち難く結びついていることを皆知っています。だから、長所を伸ばす手段の一つに、読書を取り入れる事から始めてみては如何でしょうか? 読書を続けていると、いつか人生観が変わるような運命の一冊に巡り合えると思います。

 一年の締めくくりとは言え長くなってしまいました。忘年会は落ち着く時期になりましたが、クリスマスや年末年始のイベントは続くと思いますので、体調管理に気を付けて楽しく過ごされて下さい。私も、公私共にクリスマスや年末年始も予定がビッシリ詰まっていますので、アルコールを控えて、ほどよく楽しみたいと思っています。今年も、お世話になりました。来年も、宜しくお願い致します。中国の宇宙船「天空1号」が、1月から2月にかけて落下すると予想されていますので、被害がない事を願って終わります。

【我が家のクリスマスの準備も万端です♪】

キーワード:人類と哲学の歴史

平成29年12月タイムナウ 岩根