インフォメーション 〜time now〜

 最近、朝夕に「寒い」と感じる日が増え、日本に冬が近づいているのを感じてきました。

 初めに、医療関係のお話をします。テーマは「睡眠負債」です。睡眠負債とは、スタンフォード大学(英国)が提唱している言葉で、日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼす恐れのある状態を言うそうです。日本は、先進国の中で“睡眠不足大国”だそうです。平均睡眠時間を、国ごとに比較してみると第1位がフランスで8.5時間、第2位がスペインの8.2時間、そして第3位はイギリスの8.0時間でした。日本はというと、第7位の6.5時間という結果でした。睡眠負債のリスクは、注意力低下、認知能力低下や免疫力低下による発がんリスクを増大させるそうです。望ましい睡眠時間は、毎日7時間以上のようです。私も、努力と工夫をして6時間以上の睡眠をとる様に心掛けようと思います。

 さてさて、TVで“公益社団法人ACジャパン”のCMを見たことありますよね? ACジャパンは、広告を通じて提言を発信し、住みよい市民社会の実現を目指す民間の団体なのですが、スポンサーなどの都合で、CM枠が空いた時に、この団体のCMが流れるらしいです。このCMの中に昔話(桃太郎)を題材にして、年々深刻となっているネットモラル問題を問うているものがあります。内容は、川に洗濯に行ったお婆さんが、川上から流れてきた桃を拾おうとすると、「警察に届けないの?」「窃盗だろう!!」「「不祥事キター!!」「謝罪会見マダー?」などの多くのコメントが寄せられるというものです。愛情も責任もない報道やネット発言に、多様化する価値観で、倫理観まで乱さないで欲しいと願っていた私は、不信感どころか憤りさえ感じていたので、上手く表現しているなと感心しました。個人で、直ぐに出来るのは、事実の一片だけをみて無責任な言動をとらないことです。悪質な言葉や噂が、どれだけ人の心を傷つけ、時にはその人や家族の人生さえも変えたり終わらせてしまう可能性がある事を認識しなければならないと思います。自由を履き違えてはなりません。

 何故、今の世の中には不平不満の虜になった人が溢れているのでしょうか? 私は、物質的問題ではなく心の問題だと思っています。物質的豊かさに逆行して心の貧しさや精神の空虚さが顕著になってきているのです。つまり、「利己」に走ってしまっているからなのです。この様な輩の大半は、他人を真剣に愛したこともなければ、愛されたこともない人達で、「何で自分だけが、こんな目にあうのか」と常に、恨みつらみを抱いているのです。だから、一心不乱に仕事に就くことや生あることに感謝も出来ず、精一杯生きる努力をしないのです。ある本に「人間が、深い至福感に満たされるのは、エゴを満たした時ではなく、利他を満たした時だ」と書いてありました。決して見返りを求めなくとも、「利他」の精神で尽くせば、そこに留まらず、巡り巡って“利”が戻ってくるという事なのだと思います。

 これは事実です。今月鹿児島のある病院を訪問させて頂きました。その病院の医師や職員の皆さんを見ていると、「いい医療を提供するチームワーク」という目に見えない強靭な意志、愛やエネルギーを感じ確実に働いていることを教えてくれます。そして、その善意が、私達を幸福感で包み、正のパワーを与えてくれます。だから、更に共に頑張ろうという誠意と敬意を私共も誓い払えるのです。これぞ、良い「朱に交われば赤くなる」のこころです。

キーワード:「利己」「利他」

平成29年10月タイムナウ 岩根