インフォメーション 〜time now〜

 ケニアは、雨が少ないとはいえほぼ毎日雨が降ります。日本では憂鬱に思う雨ですが、ケニアで農耕や畜産業を営む方々の事を考えれば、降水量は彼らの命に直結するので「恵みの雨になるくらい降ってくれればなぁ」と思えます…治安にも影響しますしね…。

 北朝鮮は、今後どうなるのでしょうか? トランプ大統領が上手に中国を動かして連携した制裁で、少しは落ち着くかな?と思った矢先に、ロシアが定期的貿易を始めたし…トルコでは、エルドアン大統領が国民投票で独裁政権を握りました。フランスでも、大統領選挙でEU脱退を推しトランプ大統領のように「自国ファースト」を掲げる極右政党が最後まで残る事態に陥りました。世界の様々な事象を見ていると、世界中の民衆の価値観やモラルが間違った方向に向かっているような危惧の念を抱くのは私だけでしょうか?

 人類が250万年という時を経て、発展させた革命を順に挙げた書籍がありました。その革命と言うのが、①認知改革⇒②農業革命⇒③人類統一⇒④科学革命です。この中で、とても納得させられ、興味深かったのが、農業革命についての内容でした。麦の栽培により、人類は豊かになり人口も増やしました。その反面、配分の不平等や格差も生じました。そう考えると、人間って遥か昔から欲深い生き物だったのですね。そして、それは大昔の出来事だとはいえ現代社会の縮図の様です。格差の拡大に…人口減少の要因…。この書籍は、人類の歴史を振り返り考える時間を与えてくれます。更に、現代の視点から人のあるべき姿や私達がなすべき事、私達でも出来る事を示唆して教えてくれているような気がします。

 私がこれまでタイムナウで、再三取りあげてきた「倫理」の問題にも通じると思います。個人の自由や成功だけに目を奪われるあまりに、追及すべき理想を忘れ、互いへの愛や思いやりさえも忘れてしまう…私達人類は、いつの間にか自由をはき違え、利己主義に走った結果、道徳心さえも見失ってきたのです。半世紀以上生きた私でも時々、何が善で正義なのか解らなくなる事があります。しかし、人と人との深い繋がりも私は信じています。例えば、御縁があって、30年程前からご夫婦で、前医と当院で看させて頂いている患者さんの話です。残念なことに、ご主人はお亡くなりになったのですが、奥様は、今も当院で闘病なされています。その奥様が先日「目の悪い私に、息子が美紀ちゃんのタイムナウを読んでくれるんで楽み」と言ってくれたのです。患者さんや息子さんに、更なる元気と勇気を頂きました。本当に有り難く思っています。今後も奥様が、元気で長生きできるサポートを継続します!!

 最後に、私を冷静にさせ奮い立たせてくれるヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」の一節と孔子の「誡子書」を紹介して終わりたいと思います(原文ではありません)。ヘミングウェイ:やるべきことは、ただ一つしかない。それをこそ考えるべきだし、そのことをはっきり考え抜いて、後は何事も成り行きに任せるべきで、悪戯に気を揉んではいけないのだ。気を揉むのは恐怖を持つのと同じくらい愚劣なことだ。それは、物事を一層難しくするだけだ。孔子:優れた人は静かに身を修め、徳を養う。無欲でなければ志は立たず。穏やかでなければ道は長い。学問は静から、才能は学から生まれる。学ぶことで才能は開花する。志がなければ学問の完成はない。
…格言です。

平成29年5月タイムナウ 岩根