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 今年、大分では桜の開花が遅かったので、日本で満開の桜を愛でることが出来ました。久しぶりだったので、日本人として本当に嬉しかったです。日本人として残念だったのは、浅田真央選手の引退ですが…国を背負い、国民の期待を背負ってフィギアスケートを牽引して滑ってきた彼女に、今は「ありがとう。お疲れ様。」と伝えたいです。

 既に皆さんもご存知の事と思いますが、九州大学が日立製作所と共同研究した装置が素晴らしいですよね。これは、癌の臭いを好む線虫の特性を活かし自動で癌を検査する装置です。線虫は、飼育しやすく経費もかさまないので実用化すれば数千円で多くの方が検査を受けられるようになります。2020年の実用化を目指しているようですので期待しましょう!!

 このような成果を上げるには、携わった方々が努力や苦労をされて、想像も出来ない沢山の汗や涙を流されたからです。医療者も、「エビデンス(科学的根拠)」が求められますので、その困難な事は重々承知しておりますので解ります。「看護効果の可視化」つまり、数値化はとても困難だと私は考えています。例えば、褥瘡(床ずれ)ならば、創(傷)の状態やケア方法の経過や結果からエビデンスが集積できます。しかし、褥瘡の治癒には栄養や全身管理なども大きく影響するため、看護師だけが携わったから治癒するのではありません。アンケート調査や看護理論の応用も、根拠的に問題や課題が多いです。だから、光心会や共生の会の看護師たちは、繁雑な仕事をしながら、「看護効果の可視化」の工夫や研究を日夜しています。今は、突飛で変な事で誰にも相手にされなくても、いつか…何年…何十年後かには、患者さんや利用者さんのADL・QOL向上の一助に繋がる研究であると信じてトライし続けています。一般的な知識なども参考にはするものの傀儡にはならず、自分の看護観を持ち真摯に、そして冷静に医療者として科学的根拠も大切にしつつ、今後も向き合っていきます。

 私が諏訪の杜病院で看護師として働くということは、諏訪の杜病院が仲間をつくる場所であり自分の居場所でもあります。そして、勿論生活の糧でもありますが、誇りでもあります。近日「道徳」に教科書ができ教科になるようですが、教養を非常に重んじ品格を重視していた日本人が、悲壮な進歩に目を奪われ物質的な面ばかりを重視した結果、日本人の基盤であった精神的な伝統や文化の重みを忘れていったからではないでしょうか?或る大学教授が講義で現代社会の問題「権利の誇大化」についてお話しされていました。これは、自分の義務を果たさず権利だけを主張する人が、ここ最近の日本で急増しているという事です。

 「権利の誇大化」に限らず、最近の日本では友人関係にも変化があるようです。私は公私共に自分を理解して許容してくれる、私が間違っている時にはハッキリ「違う」と教えてくれる人や仲間を「友だち」というのだと思っています。しかも、この人たちは損得勘定ではなく「私の事を思って」自分自身の価値観を容易に曲げる事もせず、適切な助言や指摘・評価をしてくれるのです。時には、私がくだらない話を繰り返しても、呆れながらも笑って聞いてくれて、丁寧に相槌もうってくれます…私は、守っているばかりではなく、皆にもいっぱい守って貰っているのだなと痛感します。とにかく、これからも仲間たちと笑顔でいられるように、自分らしく精一杯生きたいと思います。そう思えるのが、「水魚の交わり」です。

平成29年4月タイムナウ 岩根