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 日本は、涼しくなりましたか?ケニアは日本でいうところの初春にあたりますが、涼しいというよりも、朝夕は屋内にいるとまだ肌寒いです。これからの時期、ケニアにはジャカランダというキリモドキ属ノウゼンカズラ科の木の紫色の花が満開になるので楽しみです。ジャカランダの花は、フジの花の色に似ていてとても綺麗です。

 今回直木賞を受賞した「コンビニ人間」をお読みになりましたか?私達とは違った価値観や視点からの人間観察が鋭くて面白かったです。勿論、共感できるところもありますし、重過ぎず読みやすい文章なのでお勧めです。機会があれば、是非お読みになって下さい。

 最近、一番驚き悲嘆にくれたお話をします。日本の主要な死因は、①悪性新生物②心疾患③脳血管疾患④肺炎⑤不慮の事故の順に多いのですが、実はその次が自殺なのです。先日報告されたデータでは、4人に1人が自殺を本気で考え、なんと自殺未遂経験者は推計53万人にのぼるそうです。自殺の原因は、職業ストレス、子どものいじめ、災害による経済的困窮や自分だけ助かった事への自責の念などがあるそうです。これは、個人的にも公人的にも大変ショックでした。個人的見解では、仕事や家庭が大変で心身共にキャパを超えそうな時に「あぁ~死にたい」と思うことはありましたが、真剣に具現的自殺企図を考えた事がないので、4人に1人が自殺を本気で考えたというのが信じ難かったというのが本心です。公人的には職業柄、個々の尊い「生命」や「人生」に向き合い、心身の健康維持・向上やQOL向上に日々苦悩呻吟しつつも遣り甲斐を持って関わりを持たせて頂いているのに、自ら命を絶つ人が沢山いるというのが、大変ショックでした。私は、これは日本社会だけが問題なのではなく、宗教の違いも自殺には大きな影響を与えると考えています。当然、社会環境の問題も大きいと思いますが、個々の「死生観」も揺蕩っているのではないでしょうか?生きるだけで必死な時代ではなくなった現代に於いて「死」は「死」でしかなくなってしまい「生」をどう生きるかというところに繋がっていないのではないでしょうか?「生きたくても生きられない人がいる」のに…と揶揄するのは簡単です。でも、命を絶つ人たちの中にも「生きたくても生きられない人」がいるかもしれません。本当に複雑な心境です。これは、政府だけの課題ではなく日本社会全体の課題であり、みんなで自殺対策を考えていかなければならないと思います。そして、自身の半生を振り返った時に、周囲の人間の存在や環境もとても大きいと感じますが、自己の存在を超越した何かや一貫した本質的な自分を持ちさえすれば、いかなる困難に遭遇しても、それを突破する精神的な唯一の助けや支えになるとつくづく思います。強い人だからこの考えに至ったのではなく、弱い人だったからこそ、良い事も悪い事も経験する中で凹み落ち込んで、自分が嫌でたまらなくなったりしながら学び、教えられ導かれて、自分の存在価値の根幹に辿り着け、この様な考えに至ったことを付け加えておきます。良い機会なので皆さんも、一度ご自身の「死生観」などを考えてみて下さい。現代の医療や世の中で「ピンピンころり」「酔生夢死」の死に方は難しいですよね。

 最後に、北朝鮮の核開発は成熟期に向かっているといっても過言ではないと思います。潜水艦の問題はあるものの着実にアメリカにも核の脅威を感じ始めさせています。日本は、既に射程範囲です。既存の防衛システムでは、連射された時には間に合いません。心配です。

平成28年9月タイムナウ 岩根