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 今回は、当院で行っている看護について真面目に語りたいと思います。アシストケアリングは、各学会や専門誌で既に承認を得て公表されているのでご存知の方も沢山いらっしゃるとは思いますが、改正したので報告かたがた説明をさせて頂きます。

 私達の、究極の目的は、対象者が生きがいを持ち(自己実現)、住み慣れた地域で「その人らしく生活できること」であると考えている。現代の医学では、概ね理論や科学即ち、客観性だけが意味を持つように捉えられがちだが、私たちは「人間」を対象に看護を提供していることを忘れてはならない。看護師は、徳性と洞察力を兼ね備え知識や技術そして経験で科学的にもその裏付けをしていかなくてはならない。実践の中では、対象者を「社会で生活している人」と捉え、対象者・家族の様々なニーズを把握し、充足をはかるとともにADL・QOL向上を目指し、対象者や家族も参画し段階的目標を掲げ、状態や状況に合わせた課題設定をする。このため介入早期より家族や地域スタッフとの連携が必要不可欠となる。心身機能を観察・評価し、ADL向上には「できるADL」を「するADL」「しているADL」につなげ、ここから更に、選択肢を提示し自己決定により方向性を決定する。自己決定を尊重した生活の再構築には、IADLや自己管理の習慣化が必須となる。当院では、この全過程に看護師が介入しコーディネーター的役割を果たしている。この時、重要なことは、『安静・安楽にとらわれることなくリスク管理行い、最大限の心身活動を促しADL・QOL向上をはかる』『他職種と協業し、「できるADL」をいかに「するADL」「しているADL」につなげていくかをアセスメントし、個々に合わせた段階的アプローチを提供する』『対象者の持ちうる、または、回復可能な心身機能と社会資源を活用し、その人らしい生活が送れる支援を行う』ことである。

平成23年 8月 岩根 美紀