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『ライフ・ワーク・バランス』

 鬱陶しい梅雨が明け本格的な夏がやってきたと思ったら、もうお盆が過ぎていきました。
私の原稿を催促する広報委員をかわして数ヶ月・・・定期的に、更新していくつもりでいたのに・・・「忙しくて、できない・しないは理由にならない!!」と常日頃から、スタッフに言ってきた私が、この有り様では示しがつきませんね。
 今回は、お堅い内容ではなく、自分が日々の生活や仕事で感じたこと等を、書き込みます。最近、問題になっている「ライフ・ワーク・バランス」を取り上げたいと思います。

 プライベートと仕事の充実って、みなさんは、どう考えますか?難しいですよね・・・難しいっていうのは、両立が難しいと言っているのではなく、その時の状況によっては、「うん、うん!!」と頷けるところもあるし、それが全てでもないようなところもあるからです。

例えば、結婚するまでは、自分のペースで私生活も仕事もやれていたのに、主人という存在ができると、家事等が不規則な時間になってしまう事や言われてもないのに、お休みが合わないと一緒に居られない事に気を遣い、出産後の子育ての時期には、仕事により、妻の務めどころか、母親の役割さえ果たせていないのではと悩み、主人や子供には勿論のこと、世間の人たちにまでも気兼ねしていたようなところがありましたから(勤務によって人に子供を預けなければならなかったのですが、保育園のある日には、たまには自分の時間も欲しくて好きなこともさせてもらったという引け目や子供が病気の時には、仕事を休まなければならない状況にあり、職場の方にもご迷惑をおかけしたからです)。

そういうジレンマを抱えながら働く経験をした私には、勤務時間帯やスケジュール調整でき、仕事を続けられる環境が整えられるというのは、看護師さん達が仕事を続ける大きなチャンスですし、心身共にとても大切なことだと思います。子育てに限らず、人それぞれに性格や事情があると解るので看護師という仕事を続けるには、有益な手段の一つであることだとも思います。

 その反面、専門職者としての意識や自覚が薄れてきているのも悲しい事実です。公私ともに充実できるくらいの精神力と看護師という職業に熱意が持てないと、いくら条件だけを整えても、質の向上には繋がってはいかないと思うし、看護職そのものを続けることも、困難だと思います。それでも人材不足が慢性的になると、業務が優先されてしまい質どころの話ではなくなりますものね・・・本当に、難しいですよね。このような状況で、重要になってくるのは、やはり、人としての育成や専門職としての教育を、学校と現場(職場)が連携して行い、理論と臨床の融合が図れれば、医療の現場に良いフィードバックができ、良いサイクルに変わってくるのでしょうが・・・。

 今の私に出来る事は、看護職という仕事の素晴らしさや尊さを、自分の病院のスタッフ達に携わった方々に伝えていくことだと思います。そして理論と臨床の融合の大切さを訴えることも続けています。そして何より、活き活きとした自分の姿を、みんなに見せるのが、一番の役割であると認識しています。 

平成22年 8月 岩根 美紀